ネック折れ修正。YAMAHA AG | ギター工房Eleven Guitars

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Eleven Guitarsの製作やリペアの工程を面白可笑しく紹介します。

今回は、比較的特殊な症状です。








スカーフジョイントがパックリ。




ヘッド裏、破断箇所を境に木部の色味が違います、スカーフジョイントという方法。

種類こそ同じマホガニーですが、ネック部とヘッド部を継ぎ、別々の木で制作されています。
ヘッド角を気にする事無くストレートに木取りが出来る為、コスト削減を目的に、量産ギターで採用される事の多い機構です。



07月13日(日)のブログでご紹介させて頂いた、ヘフナー(500-1)のネックヒールの接ぎ木も同じような目的で採用されています。
前回のヘフナーの場合は、木材の収縮率の違いに耐えきれなかったのが原因と考えられますが、今回のYAMAHAは、接着に問題がありそうです。

接着強度不足+外的な衝撃により、一番弱い場所が耐えきれなかったよう。


スカーフジョイントを外し、再度接着の段取りも考えたのですが、修理代金が本体の販売金額を裕に超えてしまいます。
接着+補強での作業を進めます。



粘度の低い接着剤を流し込み固定、1日置いた後からスタートです。








なるべく修正痕を残したくないので、ペグ穴を利用し、補強材を仕込みます。

まずはペグ穴を拡張しました。




補強材はホワイトアッシュの丸棒で。
補強材として一般的なメイプルに比べ、マホガニーと接着の相性がよく、強度も十分です。





拡張したペグ穴に丸棒をクランプで押し込み接着、ヘッドを完全に貫通させます。










面を合わせた後、木地調整。
ヘッド裏の塗装は剥がしてしまいます。







塗装へ!!







色合わせ後、つや消しトップコートを。






完成です!








修正痕は出来る限りペグに隠れる様、細心の注意を払いました。







サイドの塗装割れも、綺麗に修正しております。




ヘッドトップはこんな感じに。
ワッシャーで隠れるので殆ど分かりません。




ネック折れの修正。

強度はもちろんですが、美観の回復という点にこそ、難しさ、やりがいがあると改めて感じさせられた修理でした。



ご利用ありがとうございます。
ご満足頂けましたら幸いです。秋元






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