久しぶりに劇場で映画を観て来ました。
場所は新宿ピカデリー、シネコンになってからは初めてです。
シネコンは新しいから綺麗だし座席も広く見やすいのはいいんですが、全席指定なので早めに行って席を選ばなくちゃいけません。
どうもまだ慣れていないので、ついついチケット屋で前売り券を買っただけで安心してしまいます。
今回も劇場に着いたのが20分前だったのでひやひやしました。
というのも、観にいったのは水曜日、レディスデーです。
凄い行列で間に合うか心配でしたが以外に早く座席が取れて心配して損した気分です。
これからはやはりネットで予約の時代なんでしょうねぇ。

さて映画の話です。
「チョコレート・ファイター」は「マッハ」や「トムヤムクン」のスタッフが製作したタイのアクション映画です。
主演は前回までのトニー・ジャー(トニー・チャーと表記される場合もありますが、パンフレットにしたがってトニー・ジャーとします)ではなく、新人のしかも可愛い女の子です。
(風貌は池脇千鶴をハンサムにした感じとでも言いますか、とにかく美少女です)
驚きました。
超弩級のアクションです。彼女の身体能力は驚異の一言に尽きます。
トニー・ジャーを観た時以上の驚きです。

もともとテコンドーをやっていたそうですが、十代ですでに師範だったそうです。
そこにトニー・ジャーばりのムエタイが加わりまさに無敵です。
4年間のトレーニングは伊達ではありません。
もちろん女の子で体格もむしろ華奢な方なので、素人(と思われる)相手以外ではなかなか一撃で決められませんが、そこもまたリアルで良し。
そして蹴りの美しさは芸術的ですらあります。

(この先ネタバレを含みます。お読みになるならご注意を)

ストーリーはと言うと、これは考えさせられました。
普通、アクション映画というと主人公は正義のヒーロー(ヒロイン)で弱者を助け悪人を懲らしめるというのが王道です。
これはまたアクション映画が単純だと言われたりする所以でもあります。
「マッハ」然り「トムヤムクン」然りです。

しかしこの映画の彼女は決して正義とは言えません。
もちろん悪のヒロインだと言っている訳でもありません。
彼女の境遇にはたぶんに同情させられますし、彼女の倒す相手は悪人ばかりです。
しかし正義の為に戦うわけではありません。
その戦いのほとんどは母親が貸した金を取り返すためです。

こう書くと普通ですが、母親はかつてはギャングの一員であり、金を貸したといっても闇金みたいなものです。
そしてまた借りた方も一般人とはいえないあこぎな商売をしている奴ばかりです。
母親の病気の治療費を得るために、彼女は金を取り立てに行くのですが、一筋縄ではいかない相手ばかり。
そこで戦いのシーンとなるのです。

また彼女は脳に障害を持っているという設定になっています。
映画では病名をはっきり言ってなかったように思いますが、監督のインタビューによると「サバン症候群」だそうです。
サバン症候群の患者は「瞬間記憶」など特異な能力を持っています。
ヒロインの驚異的な強さはテレビでムエタイの達人を見ただけでそれをそっくり真似できる特殊な能力があるから、と言う事になっているのです。
もちろんこれはフィクションだと監督も言っていました。

さておき、このように彼女は普通のヒロイン像とはまったく異なるキャラクターです。
そして彼女が戦う理由もとても個人的なものです。
このような話の結末がハッピーエンドなはずがありません。

普通の正義のヒーローの勧善懲悪のストーリーではないのだからあたり前です。
ラストシーンを見終わって、少なからず救いのあるエンディングにホッとしつつも、考え込んでしまいました。

「アクション映画のストーリーは単純で子供だまし」などと言われても、それでいいのかもしれません。
この映画のように複雑な境遇のヒロインが戦い傷ついて結局ハッピーエンドにならないのなら、その方がましかもしれないと思ったのです。
単純でも子供だましでも最後にヒロインとその仲間の笑顔で終わるほうが私は好きです。

決して、この映画のストーリーが悪いといっているのではありません。
ただ私にはアクション映画を観終わった後の爽快感というものを感じられませんでした。

それでもなおこの映画は面白いと言っておきましょう。
観る価値のある映画です。

ヒロイン役のジージャーはすでに次の映画を撮影中だそうです。
それもとても楽しみです。

最後に、パンフレットははっきりいってしょぼいです。
紙質も印刷も悪いし何しろ薄いです。
何か狙いがあったんでしょうが700円はぼり過ぎです。
せいぜい400円がいいところでしょう。
お勧めしません。

それでは、また。