第九話 蜘蛛の糸の化学

 どうも、投稿が遅れて申し訳なさそうな素振りをしているサイエンス中野(炭素)です。

 突然ですが、皆さん。人工物ではなく、ヒト以外の生き物が由来で最も丈夫な素材は何なのか知っていますか?

 今回の化学小噺のテーマにも書いてあるように、一般的には蜘蛛の糸だと言われています。日本に生息する蜘蛛の糸はそれほど強くありませんが、海外の蜘蛛にはとてつもなく丈夫な糸を作りだす蜘蛛がいます。

 「QMONOS」という人工合成の蜘蛛の糸の繊維があります。社名の「Spiber(スパイバー)」なら聞いたことがある人がいるかもしれません。このQMONOSは蜘蛛の糸をモデルに作った繊維で、実際の蜘蛛の糸と同じタンパク質で作られています。

 この製品は本物の蜘蛛の糸と同じく丈夫で伸び縮みし、防弾チョッキにも使えるほど硬いという優れた特徴を持つ繊維です。原料を石油から調達するのではなく、微生物にタンパク質を作らせているので、その面でも将来性があると見込まれています。

 QMONOS以外にも蜘蛛の糸について面白い話があります。

 カーボンナノチューブやグラフェンを分散させた水を蜘蛛に吹き付けると、その蜘蛛が強靭な糸を作り出したという研究が2015年に発表されました。

 具体的には、ユウレイグモという蜘蛛にカーボンナノチューブやグラフェンの混ぜた水をスプレーで吹きかけたところ、今までで最も丈夫なクモの糸だといわれる「ダーウィンズ・バーク・スパイダー」の3.5倍の強さの糸を作り出しました。この糸は、現在最も丈夫だと言われる合成繊維である「ケブラー」よりも丈夫だも言われています。専門的な言葉を使えば、靭性係数が大きいということです。

 糸の強度から、糸にナノチューブやグラフェンが含まれていると考えられますが、どうやってナノチューブやグラフェンを取り込んで糸に使っているのかはまだわかっていません。それと、実験に使われた蜘蛛15匹中4匹が吹きかけた直後に死んでしまいました。なので、これを産業的な利用を見込むにはもう少し研究が進む必要があります。

 

 

 

今回は投稿が遅れてすみません。次回からはちゃんと7時に投稿出来るように善処します。(フラグ)