第四話  グラフェン-ナノカーボン研究の進歩-

 

 どうも、テストそっちのけで趣味に突っ走ったサイエンス中野(炭素)です。今回はグラフェンという物質について話そうと思います。

 我らがめぐみんが好きな物質として挙げたこの物質ですが、よく知らない方も多いのではないかと思うので、軽く説明をします。

カードの物質名がグラファイトで構造式がグラフェンなのは気のせい
 

 皆さん、黒鉛(グラファイト)はご存知でしょうか。鉛筆の芯の黒いアレです。厳密に言えば鉛筆の芯は黒鉛に粘土を混ぜたのもですが。この物質は炭素原子が六角形にひたすら並んだシートがたくさん重なって出来ています。このシートを一つだけ取り出したものをグラフェンと言います。このグラフェンはカーボンナノチューブと同じように軽く、しなやかで丈夫、電気や熱をよく通すなどの優れた物性を持ち、将来様々な分野での応用が期待されています。ちなみに、このグラフェンはElement Creatorsにはジョーカーとして収録されています。

 さて、このグラフェンはどのようにして発見されたのでしょうか?これは「スコッチテープ法」という手法を用いて発見されました。もともとこの物質の存在はわかっていたので、「発見」よりもひとつだけ取り出すという意味の「単離」の方が適切かもしれませんね。では、スコッチテープとは何か。いわば、セロハンテープテープです。皆さんの身の回りにあるような何の変哲もない、ただのセロハンテープです。

 「スコッチテープ法」とは、黒鉛をセロハンテープでペタペタ剥がしていって、一層だけ取り出すという方法です。随分アナログな方法ですね。言ってしまえば、誰にでも出来るような方法です。でも、このスコッチテープ法を使い、世界で初めてグラフェンの単離に成功したガイムとノボセロフという二人の研究者は、単離からたった6年の2010年にノーベル物理学賞を受賞しました。誰でもできるような方法でですよ!しかも、通常ノーベル賞では、研究が発表されてからその研究者が受賞するまで2030年ほどの間が空きます。発表から受賞までが短いことで有名なフラーレンの例でも11(1985年発表、1996年ノーベル化学賞受賞)です。この6年という短い期間の凄さが伝わったでしょうか?

 グラフェンの面白い特徴や応用についてもお話したいのですが、今回はグラフェンの単離について話したので、別の機会にお話するとしましょう。

 次回は、そろそろ炭素小噺ではなくて化学小噺っぽい話題にしようかなと考えています。乞うご期待!