次は異世界転生もの。

 

witch

私は平凡な主婦。毎日が退屈で、毎日が同じことの繰り返し。それでも、贅沢は思ってない。日々、楽に過ごせればいい、と思ってるから。
そんな私が、買い物中によそ見してたら、何かに足を取られて、記憶が飛んでしまった。
そして、別の世界に転生していったのだった。

気がついたら、目の前にいたのは、兄妹と思える二人だった。
「気がついたんだね?」
兄のほうが私に声をかけてきた。
なぜか、懐かしい気がしたが、どこで出会ったか思い出せなかった。
「ここは?」
その時、私は自分の容姿がまるで代わっていることに気がついた。
太って醜かった体は、スリムになっていたし、顔は鏡で確認していなかったが、おそらく美人の部類にあたる高い鼻に手をあてた。
「魔王ズカシートの果の地、ウトーユシよ?わからないの?」
そう言いながら私の顔を覗き込んだ、妹の方もどこかで見た気がする女性だった。

だんだん、元の記憶がなくなっていくのを感じたが、生来の無精で面倒くさがりが手伝って、その場所に適応していくのも割と早かった。
「俺はサーカツゥ、こっちは妹のリーオサァだよ、あんたは?」
「たぶん、チャーレエだったかな?少し、記憶が飛んでる」
「自分の名前もよくわからないんなら、ここがどんなとこかもわかってないのも仕方ないか」

二人の兄妹が説明してくれた。
今いるウトーユシは、魔王ズカシートが支配してる国の中でも小さな部族がいる街で、ズカシートの目には、殆ど止まってない、仮の聖地のような場所らしい。

魔王ズカシートは、自分の城から出たことがなく、ほとんどの支配は、その手下である、ヤチーマンという妖怪が支持してる。
このヤチーマンが、結構、意地悪く、そして、ズカシートをも支配してるという話もあり、国中はメチャクチャであちこちと争いが起きてる。
「なら、そのヤチーマンをやっつけたら、平和な国になるの?」
私ことチャーレエは、聞いた。
「いや、やはり、魔王ズカシートを倒さないとダメなんだ。ヤツの血がエネルギーになって、色んな妖怪や武器ができてる。
ヤツとヤツの体を結んでる結界にその大きな機器があるらしく、そこも破壊しないといけないんだ」
「その存在を見たことはないので、らしいという言い方しかできないけど」
サーカツゥは、悔しそうに唇を噛んだ。
その顔にまた遠い記憶が蘇りそうになったが、激しいめまいで、再び倒れ込んでしまった。

 

チャーレエは、自分には魔女の血が流れてることに気がついていた。
もちろん、カーサツゥとリーオサァには、内緒だった。
今、自分がいる世界でもっとも、邪魔なのは、ズカシートという魔王とその魔王をも影で支配するチャーマンである。
なので、2人の兄妹を自分の味方につけておくことは、重大であると思った。
幸いにも2人は、チャーレエが記憶を失った可哀想な女性として扱ってくれている。
そして、この2人のうち、兄のカーサツゥは、チャーレエでさえ、通じない魔力封じを持っているようだ。
中休
さらにリーオサァの方は、治癒魔法の力を持ってることに気がついた。
チャーレエは、2人に言った。
「まず、ズカシーオの力を知りたいから、私のモテる力を当ててみたい」
「なんの戦略もナシだと、危険だよ」サーカツゥは云った。
「だから、サーカツゥの力と、リーオサァの治癒魔法が必要なの」
「俺らの力を知ってる?チャーレエ、あんた、何者だ?」
「それは、覚えてないけど、二人の力が見えるのよ」
「ふーん、信じがたいが、まぁいい。あんたの力を見るチャンスになるかもしれないし、あんたが何者か、わかってくるかもしれない、だから、その話には、一応、乗ってみよう」
「ただし、危険だと思ったら、あんたを捨てて、俺らだけで逃げるからな」
やはり、サーカツゥは、思慮深く賢い若者だとチャーレエは感じた。
そして、いよいよ、魔王ズカシートのいる城に行くことになった。
 

ここで途切れてますよ^^: