こんにちは、ブログ担当の井手口です!
今回もいきますよ!
*侍TTP旅のしおり*
第2弾は……
平賀源内奇談
脚本・演出の森綾子にインタビュー!
*目次*
①脚本について
②演出について
③キャストについて
④こだわり
⑤最後に
①脚本について
井:本作は江戸時代、平賀源内の話ですね。「大江戸ばっくとぅざふゅーちゃー」(以下「大江戸BtF」)を始め、侍では源内を主人公とした作品がいくつかありますが、綾子さんが本作を書いたきっかけを聞かせてください。
綾:着想を得た時期としては、第十一陣「大江戸BtF」の頃ですね。源内が登場する森新太郎作の短編作品「平賀源内えれき伝」を広島市内で上演することになって。
その脚本を森新太郎が書いている時に、その作品について話したり、源内に関するエピソードを個人的に調べる中で、これは自分の解釈でも書きたいと燃えてきたんです。
燃えたエピソードというと?
源内は晩年、殺人の罪で投獄されて安政8年に獄中死したわけですけど、罪人だから、幕府から遺体を返してもらえなかったんです。
そんな中、私財を投じて墓と碑を建て、碑銘を撰文したのが友人・杉田玄白だった。
このエピソードと、実際の碑文を読んで、これは書きたいと!
≪碑文≫
「嗟非常人、好非常事、行是非常、何死非常 」
(ああ非常の人、非常の事を好み、行ひこれ非常、何ぞ非常に死するや)
なるほど。本作のストーリー自体は「狼人」騒動を解決するために平賀源内と杉田玄白が奔走する姿を描いたものですが、構成としては2人の別れに焦点を当てて作られています。
そうですね。あ、ちなみに、この作品では彼らの今生の別れを描いてますけど、これは悲劇ではないです。別れて、二度と会えなくなっても、理屈抜きで信頼し合える関係を描きたかったんです。
平賀源内の物語ではなく、平賀源内と杉田玄白2人の物語
そうですね。「大江戸BtF」や「えれき伝」と登場人物やストーリー展開で重なる部分がありつつ、キャラクター像やテーマは趣の異なるものとなりました。
②演出について
今回、演出するにあたってどんなことを意識していますか?
年輩の方も楽しめる作品にしたいです!
普段の侍は子ども~若者を主なターゲットで、勢いがあってテンポが早くて、わっと盛り上げる作品が中心ですよね。そういうのも勿論大好きだけど、この作品は、大人たちの目に見えないけど強い繋がりを静かにしっとりと描きたい。
年輩の方にもじっくり見て楽しんでほしいです。
じっくり見てほしいというと、具体的にはどんなところですか?
たとえば、今回はあえて登場人物の表情を見せないシーンがあるんですね。
普段の侍の作品だと、表情ははっきり見せて、この人物はこういう気持ちだとわかりやすく示すじゃないですか。
今回は明確に表情に出さない、出せない。辛い言葉も、辛そうに言わない、言えない。
大人の複雑な心情、ということでしょうか。
わかりやすく表に出さないけど、秘めている情熱とか信頼とか、隠している想いとか。そういう部分をお客さんの想像に任せたい。
オムニバスだからそういう普段と違う姿も見せていけたらいいなと思ってます。
③キャストについて
今回の出演者について聞かせてください。いい感じですか?
(力強く)いい感じです!!
森新太郎*平賀源内

源内役に森さんを選んだ理由は?
まず、ビジュアルですね。デカくて細い感じとか、「っぽい」というのがあります。
確かに「っぽい」ですね。天才?奇才?「っぽい」雰囲気。
あと内面的なとこで、源内は凄くひねくれたじいさんって感じイメージなんです。
ひねくれた大人なのに子供っぽい。人間嫌いだけど懐に入れた人間に対しては情に厚い。
森さんも相反する要素を内包してるとこがあると思っていて。繊細だけどおおらか。神経質だけど大雑把……。
そういう共通点があるので、森さんなら源内のひねくれた部分を表現してもらえると思ってます。
栁ヶ瀬祐規*杉田玄白

栁ヶ瀬くんを選んだのは、優しい柔らかい、学者っぽい空気を持ちながら、それだけじゃない秘めた毒と熱意があると思っているからです。
そうですね、凄くそんな感じですね。
玄白は結構人間が好きだったり、源内と対照的なイメージがあるんですね。
栁ヶ瀬くんという役者のイメージがそれにぴったりで。あとビジュアルもそれっぽい(笑)。
目元とかのまるいイメージが、するどいイメージの森さんと対照的ですよね。
あと、今回の見てほしいポイントとして「おじさん2人の会話」があるんです。性格が全く違う2人の、皮肉だらけだけど噛み合う、付き合いが長くないと、信頼関係がないとできない会話。
この2人ならそれが表現できると思っています。
爲政茉佳*おみつ

爲政については、ヒロインらしい可憐さと獣のような殺陣、両方できるのはコイツしかいないと。
け、獣のような殺陣……
彼女は元々ヒロイン経験あまりないらしくて、当初は弱々しいシーンでも動きがすごく鋭くて面白かったりしました。今はどんどんヒロインらしくなってますよ。
また、今回の見てほしいポイント②として、「ヒロインが年上の男性へ恋焦がれる様子」があります。向こう見ずな感じ、若いからこそできる演技に期待してます。
④こだわり
今回のこだわりとして、まず基礎でマイナスを出したくないんです。滑舌悪かったり台詞忘れたりしたせいで話が伝わらないとか、筋力不足で殺陣の迫力が伝わらないとかって凄く勿体ない。
だから普段大人数でやる時は、なかなか皆揃って取り組めない基礎練習をがっつりやってますね。
滑舌、筋トレ、スタビライザー、最近はヨガも。
おお、耳が痛いです……(10年近くまともに筋トレしてない)
個人的には毎回筋トレだけで1時間くらいやりたいんですよね。現実問題、時間的になかなか難しいところではあるんですけど。
今回、期せずして体育会系のメンバーが揃ったので、体鍛えて、それでできることが増えていくのが楽しい!みたいな。割と楽しくこなせているので良かったです。
⑤最後に
お客さん達に最後のアピールをお願いします。おじさんに燃えたぎる芝居です!!

以上、侍TTP旅のしおり第2回は「平賀源内奇談」編でした~!
次回は「とりつく島にも花が咲く」編!お楽しみに!
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■公演概要
芝居空間侍エレクトリカルパレード番外公演
「侍タイムトラベルパレード」
「時は流れ、人生は続く」
今回の侍は「時代」をテーマにした4作品から成るオムニバス公演!
切なく、激しく、そして熱く、4つの時代を生きるものたちの姿を鮮烈に描き出す!
過去と未来を繋ぐ"タイムトラベルパレード"へようこそ!!
【演目】
『空海夜行風流談~人魚姫の章~』
『平賀源内奇談』
『とりつく島にも花が咲く』※上演回:①③のみ
『◯◯-reiwa-東広島妖械機録』※上演回:②④のみ
【日時】
8月24日(土) ①13:00 / ②18:00
8月25日(日) ③11:00 / ④15:00
(開場は開演の30分前、上演時間は120分を予定)
【場所】
東広島芸術文化ホールくらら 3Fサロンホール
【料金】
前売り(事前精算) 1,500円
前売り(当日精算) 1,700円
当日券 2,000円
【キャスト】
森新太郎
小池悠実
佐藤伸哉*
柳ヶ瀬祐規
宮﨑香陽子
吉原愛莉
小林達矢(フリー)*
中野歩(プロ和太鼓奏者)
大原伊織 (フリー)
住谷拓海(フリー)
爲政茉佳 (広島大学演劇団)
松原浩子(広島大学演劇団)
宝子丸ゆうか (フリー)
*佐藤伸哉・小林達矢は「空海夜行風流談」Wキャストです。
添付の演目早見表をご参照ください。
【SNS】
○Twitter
@elekisamurai
○Instagram
@elekisamurai