ブログ限定企画・侍TTP旅のしおりもついに最終回!
ラストを飾るは「00-reiwa-東広島妖械機録」編!
侍代表・脚本・演出の森新太郎にインタビュー!
①脚本について
本作の時代設定は令和、しかも令和100年!
技術が発達して、人間が長生きできるようになった世界のお話です。彼らは長生きするために機械に全てを任せ、激しい感情、人との交わりを捨てていった結果、感覚やコミュニケーションツールである言葉・文字を失っています。
それで“ノンヴァーバル(非言語)”なんですね。
はい。あるきっかけで機械の世界から放り出された少女が、ゴミ山に生きる妖怪達とふれあうことで、失っていたものたちと再び出会う物語です。
今回、妖怪として登場するのは狸、狐、河童ですね。妖怪もいろいろいますが、なぜこの3匹を選んだんですか?
何を隠そう、この作品の舞台は令和100年の東広島なんです。だから、登場するのも東広島にゆかりある妖怪です。狸は、東広島市のゆるキャラ“のん太”のモデルにもなっている「旦願寺の酒呑み狸」。狐は、お産を助けてもらった御礼に田植えをする「野呂山の狐」です。
河童は?
豊栄に“どんどん淵峡”というところがあるんです。滝城の城主が城を攻められ
自刃した際、滝に落ちてなくなった筈の太鼓の音が渓谷中に響き渡った……というの
が名前の由来なんですが、いつしかそこに河童が棲むようになったという伝説がある
んです。
河童はその城と何か関係が?
関係は、ないみたいなんですけど(笑)
ないんですか?(笑)
でも、太鼓と河童の組合わせが面白いなあと思って、それで太鼓を叩く河童を登
場させることにしました。
東広島の歴史をずっと見てきた妖怪たちが、人間に代わり文化を守っている、という
イメージです。
言語・感覚の再発見、文化の継承……かなり深いテーマが含まれているんですね
。
そんなにかしこまった感じではね、全然ないんですけどね。そういう東広島要素も楽しんでいただけたら嬉しいです。
②演出について
今回、ノンヴァーバル(非言語)という手法を選択したのはなぜですか?
僕は“非言語”=コミュニケーションツールとしての言葉が存在しない、という
意味で捉えているんです。
言葉をなくすことで、その大切さを表現したいと。
では今回のテーマは“言葉の大切さ”……
それも一つではありますね。ただ、今回のテーマというか、最大の狙いは“お客さんの五感を刺激すること”です。
作中では、少女がいろいろな感覚とか感情に触れ、学んでいきます。お客さんにも少女と一緒にいろんなものを感じてもらえるよう、演者と客の垣根を飛び越えられる表現を目指しています。
一緒に、なんですね。
はい。本作には殺陣だけでなく、ダンスをはじめ体操、ジェスチャーといった身体表現をたくさん盛り込んでいて、そこにはジャパニーズカルチャーそして東広島カルチャーを出来る限り取り入れてるんですけど、知らないものに触れるのってすごく楽しいんですよ。
ジャパニーズカルチャーについては、僕自身が知らない場所に行った時に知りたい、触れてみたいと思うものです。食文化や演芸だったり、気候だったり。あと、外国にも忍者っているのかな?とか、そういうところからのスタートです。
東広島カルチャーについては、“日本”という括りよりずっと狭い地域のことなのに、改めて見つめ直すと僕自身も知らない・見たりやったりしたことがないものが本当にたくさんある。それを僕たちが“やってみる”ことが、お客さんにとっても“近しいのに知らない面白いこと”に触れるきっかけになれば良いな、という思いがあります。
森さんが目指すのは、観客も演者も新しいことに触れ、体感できる舞台なんです
ね。
③キャストについて
*少女*宝子丸ゆうか
当公演のキャスト陣で唯一の十代、宝子丸さんを主役に抜擢したのはなぜですか
?
僕と20歳近く違いますからね……世代的にも来歴的にも、異文化の人なのでい
つもお互いに発見があります。こういう“異文化との出会い”による“自己の再発見”というのは作品のテーマにも沿っていて、ぴったりだと思いキャスティングしました。
ダンスをやっていることもあり、身体表現に優れているので、感じたことを素直に表現する力に期待しています。
*狸*森新太郎
この役を森さん自身が演じることにしたのはなぜですか?
えーと、僕も参加したかったからです(笑)
この役のモデルは、さっき話した“旦願寺狸”ですが、こいつが人間に化けてお灸して、それで稼いだお金で酒を呑むっていうお気楽な奴なんです。くだけてるけど、年を経てどこか達観してるイメージですね。やってて楽しい役です。
*狐*大原伊織
狸と対照的に、狐はまじめな青年という印象の役ですね。
感覚的に生きてる狸に対して、理性的に生きる狐、というイメージですね。
伊織は性格も見た目も狐っぽくて、ハマってるなあと思います。
今回は殺陣やダンスが多いので、体力・身体能力ともに定評のある彼のキレ味鋭い殺
陣や華麗なダンスをご堪能ください。
*河童*中野歩
中野さんはなんとプロ和太鼓奏者!(※)
はい。東広島のイベントで何度かご一緒させてもらったんですが、中野さんの演奏を見て「太鼓すげーっ!!」って思ったんです。太鼓って、耳で聞くだけでなく振動を身体で感じるっていう楽しみ方もできて、その生感が堪らない。
演劇以外のものとコラボしてみたいな、と漠然と思っていたところにそういう出会いがあって、思い切って声をかけたところ快く了承していただけたので、今回の出演が決定しました。
皆さんにも太鼓と演劇の化学反応をぜひ会場で見て、感じて、「太鼓のプロすげーっ!!」と思ってもらいたいですね。
*マザー*宮﨑香陽子
宮﨑はこれまで賑やかで感情的な役柄が多かったですが、今回“ロボット”という、まあー難しい役です。身体の使い方一つとっても違いますからね。ついでに殺陣もかなり難しいやつです。
でも、ひたむきに目的に向かって邁進できる彼女なら、その壁も超えられるに違いないと思っています。彼女が努力の力を見せつけてくれることを、期待しています。
こうしてみると、今回は若手中心の顔ぶれですね。
今回は、あまり一緒にやったことがない人達とやってみたいと思ったんです。
慣れた人達と一緒にやるのも息が合う楽しさとかがあるんですけど、その一方で、ツーカーじゃないからこそ生まれるものがありますからね。
④最後に
お客さん達に最後のアピールをお願いします。
「知らないことを知る」「やったことないことをやる」ことの楽しさを、会場で僕たちと一緒に感じましょう!
以上、侍TTP旅のしおり「00-reiwa-東広島妖械機録」編でした~!
本番まであとわずか!
1~3回目は当日券がございます!
皆さまのご来場をお待ちしております✨
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※中野歩(プロ和太鼓奏者)
東広島市西条町出身 三原市在住 30歳
和太鼓を中心とした演奏活動をしている。和太鼓以外に津軽三味線も取り入れ、和楽
器の魅力、可能性を追求し、それらを表現できるよう日々稽古に励む。
黒瀬高校和太鼓部「養訓太鼓」に入部したことをきっかけに和太鼓を始める。
引退後は様々なチームで基礎、グループでの表現、作曲を学び、2013年に津軽三味線
を手に取る。
2015年より、ソロ活動を開始。ソロでの舞台を始め、サポート、アンサンブルとして
出演することも多くある。
2018年よりプロとして活動を開始。現在は各地で和太鼓教室を開催し、指導にも力を
入れている。
2019年、初の単独公演「紡」を開催。
チケット完売を果たす。
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■公演概要
芝居空間侍エレクトリカルパレード番外公演
「侍タイムトラベルパレード」
「時は流れ、人生は続く」
今回の侍は「時代」をテーマにした4作品から成るオムニバス公演!
切なく、激しく、そして熱く、4つの時代を生きるものたちの姿を鮮烈に描き出す!
過去と未来を繋ぐ"タイムトラベルパレード"へようこそ!!
【演目】
『空海夜行風流談~人魚姫の章~』
『平賀源内奇談』
『とりつく島にも花が咲く』※上演回:①③のみ
『◯◯-reiwa-東広島妖械機録』※上演回:②④のみ
【日時】
8月24日(土) ①13:00 / ②18:00
8月25日(日) ③11:00 / ④15:00
(開場は開演の30分前、上演時間は120分を予定)

【場所】
東広島芸術文化ホールくらら 3Fサロンホール
【料金】
前売り(事前精算) 1,500円
前売り(当日精算) 1,700円
当日券 2,000円
【キャスト】
森新太郎
小池悠実
佐藤伸哉*
柳ヶ瀬祐規
宮﨑香陽子
吉原愛莉
小林達矢(フリー)*
中野歩(プロ和太鼓奏者)
大原伊織 (フリー)
住谷拓海(フリー)
爲政茉佳 (広島大学演劇団)
松原浩子(広島大学演劇団)
宝子丸ゆうか (フリー)
*佐藤伸哉・小林達矢は「空海夜行風流談」Wキャストです。
添付の演目早見表をご参照ください。
【SNS】
○Twitter
@elekisamurai
○Instagram
@elekisamurai