こちらに掲載している数値は、筆者が現物を計測した結果を元に記載しています。従って、グラフは個人の感想ではなく実際の性能や測定値を元にグラフ化しています。
 
※ 追加購入する都度、更新してゆきます。測定したい物を貸して
  頂ければ送料こちら持ちで計測しグラフ化致します。
 
当初、65W品も掲載予定でしたが、LilNob Share が自宅に届いてから別記事で記載する事にしました。

 

90W~100Wクラス製品の比較

この様に、個性的な機種ばかりで楽しくなってしまったので、今後も時々機種を追加してゆきます。

 
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#1 / #2 ポート
 
電圧補償はない(負荷に応じてケーブル抵抗による電圧降下が発生する)ものの、負荷応答性は問題無さそうです。500mA前後で電圧が200mVほど上昇する特徴があります。
RAVPower の 90W 品は小型軽量でありながら、このサイズ感の他社製品と比べて発熱が少なく、バランスの良い製品に仕上がっていると思います。
恐らくですが、150W 程度まで耐えられる高スペックの部品で構成されていて 90W 出力なら余裕があるため発熱が抑えられているのではないかと思われます。重量感が有るのは熱伝導モールドによるものと思われサーモグラフで確認すると全面的に熱が分散しています。逆に言えば、このサイズ感で 90℃を超える製品もありますが、そういった製品は構成部品のスペックぎりぎりの出力仕様になっている可能性や熱対策が疎かになっている可能性があります。
ActivePFCを搭載していない事だけが残念ですが、もし、この会社から ActivePFC 搭載品が出たら迷わず買ってしまうでしょう。更に欲を言えば、
 ・ 90W 占有ポート1つ(他のポートを抜き差ししても変動無し)
 ・ 20W 共有ポート2つ
 ・ 合計 110W 3ポート
 ・ ActivePFC 搭載
で、このくらいのサイズ感の製品が欲しいです。欲張り過ぎ? ケースをプラスチックではなくアルミにするなどして放熱性を高めたらどうだろうなんて思います。Type-A が一つあっても良いですが、全部 Type-C の方が良いです。
それで2時間連続高負荷で60℃台なら文句なし、そんな製品が登場したらいいなぁ、、、酸化ガリウムの製品では、そうなる事を願います。
 
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Freedy 90W マルチポートチャージャー EA1707

#1 ポート

#2 ポート

#3 / #4 ポート

 

電圧補償は出力1.5Aまでは行われていますが、それ以上の出力ではケーブル抵抗による電圧降下が発生しています。途中で電圧補償をやめてしまう理由が謎ですが最大負荷でも電圧変動は低めに抑えられています。

Freedy EA1707 は、重量、サイズ、ともに大きく重いのですが、筆者所持のUSB充電器のなかでは唯一 ActivePFC を搭載し、力率 0.95 以上という他を圧倒する性能を出力の全域で達成、AC 100V コンセント側にノイズを垂れ流さない為、とても好印象です(試しに追加で Apple 純正品も購入してみましたところ、Apple 純正 60W 以上の製品 96W 品は ActivePFC を搭載していました、最近の小型大容量充電器に比べて Apple 純正品が大きく重い印象があったのは、コンセントにノイズを垂れ流さない為の配慮が成された結果と考えると Apple らしい対応というか、本来しなきゃ駄目かなと思います)逆を言えば、他のUSB充電器は残念ながら AC 100V コンセント側にノイズを垂れ流していますので他の家電に悪い影響が出る可能性

があります。

筆者が調査した範囲では、他に j5 create JUP44100 100W 4-portが ActivePFC を搭載しています

それと、Freedy EA1707 は Type-C 2ポートがそれぞれ独立しているので、片側を差し替えたりしても別のポートに影響しない事もあり筆者の中では評価が凄く高いです。ただ、カバンに入れて持ち運ぶには、ちょっと重たい(と言っても270gですが)で自宅専用になっています。

仕事で使う場合は一見するとUSBハブにも見える点で難があります。

※ 90W 品ですが、1ポートで90W は出せないのでご注意ください。

と言うか自宅で使うUSB充電器は、全てコレでまかないます。

Type-C #1 は仕様では最大で 60W ですが、実測すると 62W までなら常用可能です。その状態で Type-C #2 を抜き差ししても 62W は微動だにせず出力し続けてくれます。これが仮に Type-C #1 が 90W出力に対応した場合は、他のポートを抜き差しすると出力変動の為に

いったん切断する必要があるので 60W 制限は仕方のないというか当然の仕様と思っています。

2時間耐久試験は、出力の 99% に相当する 89W で2時間試しましたが、2時間後の表面温度は65℃でした。この製品は薄く広い面積かつ表面に凹凸が有るので他社製に比べて放熱性に優れている為と思われます。また、コンセントに直接ではなくケーブル経由で机に置く

タイプのため、広い面積を机に接触させて排熱している側面があり、

その様に設計されたのであろうと思われます。

無負荷時の待機電力は 0.4W でした。LEDが点灯しているので、、

 

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TUNEWEAR TUN-IP-200107 (TUNEMAX 100W GaN)

#1/#2 ポート

#3 / #4 ポート

 

電圧補償は無く、ケーブル抵抗による電圧降下が発生します。負荷応答性は、この試験では良好です。

TUNEMAX 100W が ActivePFC 搭載品ならグラフ面積が最大なのですが、それが残念です、それと、高負荷で2時間経つと80℃を超えるのも難点です。65W を超える出力で携帯性もそこそこ高くて4ポート有るのですが、その出力を得ようとすると発熱が心配になるというのが微妙な感じで、常用するのを敬遠してしまいます。HYPERJUICE 100W GaN と大きさ重量やスペックが同じなので中身も同じではないかと推察致しますが筆者は黒色が好きなのでHYPERJUICEの現物を持っていません(従って本当に中身が同じかは判りません)。できればロゴも目立たない様にして欲しいです。

無負荷時の待機電力は 0.6W でした。

 

TUNEMAX 100W 高負荷2時間経過後の表面温度。

 

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AUKEY PA-B5

#1 ポート

 

電圧補償されていますのでケーブル抵抗による電圧降下は極小に抑えられていますが、負荷変動時に電圧が暴れているのが残念で、負荷応答性に若干難ありです。負荷変動の滑らかな充電用途向きと思います。

たぶん、100W クラスの USB充電器では現時点で AUKEY PA-B5 が世界最小です。

独自開発の Omnia ASIC を搭載し、小型軽量高効率を達成してサイズ感は小さい事で人気の RAVPower RP-PC133 65W と同じサイズで 100W なのです。発熱はそれなりかと思ったのですが、最大負荷の95%で連続2時間チャレンジしたところ、1時間経たずに給電ストップしました。おそらく高温を感知して保護回路が働いたと思われます。どのくらいで給電をストップするのか再チャレンジしてみます。=>再チャレンジしたところ、55分くらいで90℃を超え58分経過した頃に 92℃ を超えたところで保護回路が働き出力がリセットされました。つまり、95W程度の出力を続けると1時間で充電がストップします(しかし、通常 95W 連続1時間のケースは

稀と思います、、、連続で重たいゲームや4K動画編集などを続けたらそうなるかもですが・・・)
それと、この製品はサイズと重量を削ぎ落とす為に、同時に他も切り捨てている為、Type-C 1ポートしかなく、カタログや見た目に現れない部分のノイズ対策が最も貧弱です(逆に RAVPower はリプルノイズ 9mV で非常に優秀です)。
無負荷時の待機電力は 0.2W でした。
 
AUKEY PA-B5 20V 4.5A = 90W 出力時のリプルノイズ。ノイズが大きめです。
 
AUKEY PA-B5 20V 4.75A = 95W で1時間経過後の表面温度92℃
熱過ぎて触れませんでした。コンセント側にも熱が伝わるので、ちょっと危険です。。。

 

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電圧補償は予め電圧降下を想定して20.5Vに設定していると思われケーブル抵抗による電圧降下が発生していますがBelkin Thunderbolt 3 50cmケーブルでは最大負荷で20.2Vでした。負荷応答性は、この試験では良好です。

素晴らしいです!というか純正品なので当然の完成度なのかも。

この素晴らしさが理解できる人がどれだけ居るか判りませんし、グラフが凹んでいる部分のありますが、Mac Book PRO / Mac Book Air などを充電する為の電源としては、この製品が最適な事は間違いないと筆者は思います。理由は、最大負荷を2時間掛け続けて本体が浮いた状態にもかかわらず60℃以下をキープしましたし、力率が高いのでコンセントへのノイズを抑え結果として家庭で他の家電に影響を殆ど与えず、かつ、変換効率が非常に高く省電力です。

持ち運びに若干難が有りますが、80℃超えて火傷する程熱くなる他社製より安全です。安全かつ省電力で他の家電に悪影響を与えない事は、家庭で利用する場合に重要な事で、当然オフィスでも同じ事が言えます。リプルノイズは少々高めですがMac本体に接続した場合は本体側のLCフィルタで除去可能な範囲に収まっていると思われ、気にするレベルではないはずです。

ActivePFCは高負荷時に力率 0.99 という、このサイズにしては究極の値を出していますが、逆に 40W を超えないと ActivePFC が起動せず力率 0.55 くらいです。いったん起動すると 20W 以下に下がるまで稼働しつづけ 20W 以下になると 1分程度経過後にActivePFC が OFF になり同時にリプルノイズの波形が変化します。
この挙動は他社製品には無い挙動で、恐らく低負荷時の消費電力に配慮した挙動と思われ、 ActivePFC が稼働中は 1.2W程度を追加消費しているので、低負荷時はノイズの影響も少ないため、節電のために AcrivePFC を OFF にするのではないかと推察致します。筆者的には利用中は常時 ActivePFC 稼働の方が好印象ですが、人によっては消費電力や待機電力を気にすると思うので、低負荷の時にカットしているのは、そういった事を気にする人向け
なのだろうと思われます。
それと、注意点として、他社製品を接続した場合に 60W しか出力しない可能性があります。理由は Power Delivery の応答内容が20V 3A MAX だからです。Apple製品は型番を判定して 60W 以上を引き出している可能性があり、筆者は電子負荷を使って強引に92W を引き出しましたが、Power Delivery の仕様通りに電力を取り出そうとするマナーの良い機器だと 60W が上限と思われます。
あと、コンセント側コネクタが取り外せる仕組みになっていますがここに2Pの100V用延長ケーブルを接続して机に接触させておくと効率良く排熱できると思うので高負荷時でも体温程度まで下げられる可能性があります。 
無負荷時の待機電力は計測不能(0.0W)でした。出力 5.0V が出ているので完全にゼロには成っていないと思うのですが、測定すると 0.0W なので、極限まで待機電力を削減し尽くしているのだと思われます。100V で 0.04W以下を達成するには0.4mA以下ですよね、、、素晴らしいです。たぶん漏電より少ない。。
 
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CIO G100W3C1A (LilNob 3C1A 100W GaN)
 
この機種専用記事に詳しく記載していますが小型軽量でありながら多ポート・多機能(PPSなど)を達成、電圧補償や負荷応答性が良好です。反面、ノイズ対策や熱対策に難があり、ある意味では尖った製品ですが発熱が凄いので取扱注意です。
#3ポート と #4ポート(Type-A) を同時に利用すると動作がバグっているので、3と4は同時利用しない方が良いです( 5V 2.4A までは両方とも問題ないですが、片方でPDやQCなどで電圧を変えると動作がバグってきます ) 。
 
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j5create JUP44100 100W 4port PD USB-C
  
この機種も専用記事に詳しく書きましたが、大きく重たい反面ノイズ対策が優秀で非常に好感が持てます。熱対策がちょっと惜しいですが高負荷が続く様な使い方(具体的には3Dゲームを長時間する様な用途や、動画編集的な重たい処理を長時間)でなければ問題ないと思います。、、と言っても60W程度のPCなら高負荷が続いても問題ないでしょう。