カリフォルニアからこんにちは。
ハービーです。

まいにちブログ「猫とわたしのカリフォルニア・ライフ」にようこそ。


本日は短いストーリーを。





転校生 第六話



照明アーチストとヘビメタシンガー。それぞれの夢を追いかける彼女と私。お互いの夢を語り合った。

彼女はプリンスが大好きで、いつかプリンスの照明を自分がデザインしてツアーをやるんだと豪語した。私は海外でまず認められ、その後やっと気がついた日本に逆輸入されるアーチストになるだろう、と自身の未来を予言した。

そんな輝かしい未来とは裏腹に、私の風呂無しボロアパートはまるでゴミ箱だった。今から思えば当時の私は少し病んでいたのかもしれない。

時々、何もかもから逃げ出したくなった。彼女のマンションに逃げ込んで、お泊まりするのが何よりも楽しみだった。レンタルビデオの映画を一緒に見たり、出前のうどんを一緒にすすったり、私にとって彼女は「家族」そのものだった。



幾つかのバンドを経て、私はようやく良いメンバーに巡り会えた。何とか音楽事務所(弱小)との契約にも漕ぎつけて、少ないながら音楽で給料を貰えるようになった。大阪だけで無く、京都や神戸、東京や横浜...更には事務所にバンドの夢を伝えて、ロサンゼルスやサンフランシスコでもライブをさせて貰った。

当時のメンバーの中でも特に、私はギターリストの才能に惹かれていた。彼女はルックスに恵まれていたし、いい曲を書いてくれた。そして私とも気が合った。間違いなく今まで一緒にプレイした誰よりも魅力的だった。このまま行けば何もかもが上手く行く、いい予感がする!私は舞い上がっていた。



ところが問題は、私自身にあった。時間にルーズで当てにならない私に、遂にギターリストが三下り半を突きつけたのだ。練習にもロクに来ないボーカリスト...考えてみたら当たり前だ。それが原因でバンドは解散。25歳にして挫折...。

ガックーン!今までこれしかやって来なかったのに...これぐらいしかまともに出来ること無いのに...。もう大阪でバンドが続けられる気がしなかった。そして私には東京へ行く勇気も、諦めて地元に帰る潔さも無かった。

どうしよう...。
人生最大の大ピンチ。


つづく





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