カリフォルニアからこんにちは。
ハービーです。

まいにちブログ「猫とわたしのカリフォルニア・ライフ」にようこそ。



本日の短編。





   答え


「なあ、私の事どう思てるん?」


父は答えなかった。

寝転んで、背中を向けていた。
母はずーっと俯いていた。



父が家にいないのは普通だった。

珍しく帰って来ると、家の中がギクシャクした。

そしてそのうち、遂に見かける事も無くなった。



18歳になると、私は家を出た。

大阪の学校に入学して、一人暮らしを始めた。

それ以来、2度と私が実家で暮らすことは無かった。



「なあ、私の事どう思てるん?」


いきなり聞かれて驚いた。

質問の意味がよく分からなかった。一体どう答えて良いのか思いつかず、質問で返すしか無かった。


「何言うてるん?どうしたん?」



数日前に受けた、兄からの電話。

「先生から、もう退院は出来ひんやろうって言われてる。帰って来たって。」


これから長くなりそうな、母の入院生活。私は実家に戻って来た。


相部屋に入院している母と、小声で話す。


「ここじゃ周りの人に気使うわ。部屋を変えて貰おうか。1人部屋が空いてないか聞いてみよう。そしたら私も泊まれるし。」


少女のようにはにかみながら、嬉しそうに頷く母。


これは演技なのか?もしも演技だとしたら相当なヘタクソだ。何だか可笑しくなった。

長丁場になると思った、母の入院生活はあっという間に終わった。



「なあ、私の事どう思てるん?」


どうしてあの時、答えられ無かったのだろう?



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じゃあ、またねー。