先日、大学でのゼミ面接があった。
その中での質問には僕の大嫌いな自己PRの質問やどうでもいい質問など不愉快なことはたくさんあったが、適当にはぐらかしていた。
でも、一つだけ流せなかった(いま思えば、適当に流しておけばよかった。)質問があった。
それは、
「僕も夢とかやりたいこととかないからさあ、とりあえずレール通りに大企業に入れれば良いなあって感じなんだけど、君はどう?」
というものだった。
経緯を振り返ってみる。
ぐだぐだ質問の答えを面接官(3年生)の望むように答えていると、突然
「将来の夢は何ですか?」
急に自分の抱えている他者に隠してきたテリトリーにガっと入ってこられた。
一瞬、困惑したあとに
「・・・ありません。」
と答えた。
すぐに
「無気力に思われてはまずい」と焦って
自分がなぜ夢がないのかを聞かれてもないのに熱弁した。
よく覚えてないが、たぶん自分のやりたいことを探している途中だ、みたいな感じで焦りを隠すかのように弁を捲くし立てた。
面接官は
「自己分析をしてみるといいよ。」
と言ってきた。
この発言も僕にとっては相当イラつくものだったが今は置いておこう。
これは
「ありがとうございます。」
とだけ言えばよかったから楽だった。
「じゃあ、働かないの?」
「いや、親に迷惑はかけたくないので自分で生きていくために働いて稼ぐ義務は感じています。」
このあとに、あの発言があった。
「僕も夢とかやりたいこととかないからさあ、とりあえずレール通りに大企業に入れれば良いなあって感じなんだけど、君はどう?」
「まあ、そんな感じですね。」
みたいに適当にはぐらかしておけばよかった。
でも、それほど僕は大人ではなかった。本当に中学生レベルだ。
「質問の意図がわからないんですが、あなたにとってのレールって何ですか?僕はレールっていうのがよくわかんないんですけど。」
「たくさんお金を稼ぐことですか?」
「安定ですか?モテることですか?」
思わず、面接官に逆質問を問いかけてしまった。
「やっちまった。」と思ったときには遅かった。
「なるほど。貴重なご意見ありがとうございます。」
と乾いた声で言われた。
でも、本当にそう思った。
何なんだよ、レールって。
そのレールの先にはどんな駅があるんだよ。
いっぱいお金が落ちているのか?お金があったら幸せになれる?
でも、大学生になってバイトを始めて使えるお金の量は増えたけど、全然楽しくないぞ。
お金では僕は幸せにはなれない。
かわいい女の子たちとやりたい放題できるのか?
僕は彼女は1人いれば充分だし、そもそもこんな捻くれた思想を受け止めてくれる女の子はそうそう社会にいないことはわかっている。
だから、どの女の子と付き合うにしても僕はポジティブな人間を演じなければいけない。本音を隠さなきゃならない。元カノにもそうしてきた。
やっぱり、女の子も僕を幸せにはしてくれない。
他にも、名声とか安定とかいろいろあるんだろうけど、どれも違う。
僕が欲しいのは、
「自己肯定」できる何かだ。
僕にそんなポテンシャルはないと思うが仮に社会成功に必要な能力を完璧に備えていたとしてもだ。
いくら金を稼いでも
いくらモテても
どれだけ周りが持ち上げても
僕自身が現実の僕に納得できない。自信が持てない。
自分の欠点ばかり見つかる。
頑張って克服するとまた新たな欠点が僕に挨拶をする。
そんな理想と現実の身長差に一生苦しまれるのかもしれない。
こんな僕を前向きにさせてくれる仕事があるのならそれが僕の夢だ。
そんなもの、あるのかな。
小さい子供がサンタクロースを信じているみたいなものなのかもしれない。
レールに乗った大人たちが笑っているかもしれない。
でも、僕はサンタを信じ続ける。
だって、何も信じずに生きられるほど僕は強い人間じゃないんだ。
読んでくださりありがとうございました。