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満足度91点

 

 世界のポップ・スターとなったPHIL COLLINSの4年ぶりの5THアルバム「BOTH SIDES」を聴きました。

 

 

 ここから、PHIL COLLINSがポップ・スターの座から転げ落ちていくのですよね。確かにこのアルバムの第一印象は地味以外の何物でも無いんですよね。それは、特大ヒットをした前作「... BUT SERIOUSLY」のような豪華なゲストや多くのプレイヤーを配した作品ではなく、全てをPHIL一人でコントロールをした作品であるから…というのが少なからずあるのかもしれないですね。今回は作曲・演奏・プロデュースの全てを一人でやっており、豪華な宅録になっている点が大きな違いですからね…。

 

 

 上記したのが、問題点なのは、曲が自分よがりになっている事ですね。アーティスト性を前面に出やすい環境だったというのが、この作品を投影していると思います。現にこのアルバムの曲は今までのアルバムに比べて一曲一曲が長いんですよね。それが悪い方向に行っていると思いますね。それが、アルバムのクオリティを下げている可能性があるんですよね。

 

 

 あ…クオリティとは書きましたが、この場合ポップ性と書いた方が妥当ですね。このアルバムは、クオリティは悪く無いんですよね。どちらかというと、1STアルバム「FACE VALUE」に近い作品だと思うんですよね。ポップに振り切れ過ぎた前作・前々作から距離を置き、再度、自分を見つめ直して作り上げた作品だと思います。プログレの感じが戻ってきていると感じましたね。ピアノの出番が結構多いのは個人的には最高ですね。オススメ曲は③EVERYDAYですね。

 

 

 だから、聴いていてスルメのごとく聴き入ってしまうアルバムなんですよね。パッと聴いて気に入る感じではないと思うのですけど、2度3度聴いていくと、心に響く作品になってくると思います。まあ、こういう作品を作ってくる事自体、スターという座に飽きてきているんだと思いますね。彼自身が作りたい物を作る、正直な作品であると思います。商業的な事を抜きにしたPHIL COLLINSの魅力がある作品であると思いますね。