- ONE OK ROCK/35xxxv
- 今作で7枚目となる、ONE OK ROCKのアルバム”35xxxv”は、前作までとは何かが違う。
2013年3月に、前作”人生×僕=”(JINSEI KAKETE BOKU WA)をリリースした直後、私は初めて彼らのステージを目の当たりにし、度肝を抜いたのだ。
私は90年代に入ってから、邦楽ROCKの世界から完全に手を引いていた。
そんな洋楽漬けのこの頑ななROCKオタク魂を彼らに奪われたのには理由がある。
それは、「日本人離れした音のセンス」だ。
簡単に言うと、「感覚が日本人じゃない」のだ。
初めてステージを観たのも、2013年3月に行われた、クリエイティブマン主催の、”punkspring2013”に、私の大好きなUSのバンドであるweezerと、カナダのバンドであるsimple planが出演するからということだけで行ったフェスに、たまたまONE OK ROCKも出演していて、なんとなく観ていただけのはずが…驚愕!コイツら日本人の音じゃない!
私は彼らのステージ、Vo.Takaの歌唱力の完成度の高さに口をアングリして釘付けになっていた。
「日本人ROCKバンドに足りないのはこれだ!」そう感じた。
それからというものの、私の洋楽人生から一変し、毎朝毎晩ONE OK ROCKを聴くようになっていたのだ。
洋楽ファンにも、何の抵抗もない音、圧倒的な歌唱力。 - ONE OK ROCK初心者の方のために、簡単に彼らの紹介を。
2005年に結成された、Taka、Toru、Ryota、Tomoyaからなる4人組。バンド名は、「ONE OK ROCK」と書いて「ワンオクロック」と読む。
今作品を含めて7枚のアルバムをリリースしている。 - さて、前置きは長くなったが、今作の”35xxxv”についてお話しよう。

まず感じられるのは、前作から比べ、日本語歌詞の割合がかなり減っているのが、聴いていて明らかに分かる。
彼らは昨年から、アジアをはじめ、ヨーロッパ、そしてUSと、世界各地をツアーしてきた。
彼らの公用語は英語なのだ。
これを書いている現在も、オーストラリアツアーに行っている。
日本に滞在している時間のほうが少ないくらいだ。
そしてもうひとつ。
プロデューサーにUSのエンジニアを迎えているところだ。
Colin Brittainと、John Feldmannの2名を迎えることにより、洋楽的要素が高い作品に仕上がっている。
(ちなみにJohn Feldmannは、前作”人生×僕=”にも参加)
Colin Brittainは、5 Seconds of SummerやThe Usedといった、パンク・ラウド系のバンドをプロデュースしている。
更に、John Feldmannは、自身がGoldfingerというバンド(パンク系に属しているが、私の知識で位置付けるなら、スカコアバンドだろう)のVo.だった経歴も持つプロデューサーで、All Time LowやNeon Trees、The Used、Panic at the Discoといった、まさにパンク・メロコアというジャンルの代表格のバンドを手掛けている。
The Usedについては、Colin、John両者共通にプロデュースに関わっていることが分かる。 - この2人のエンジニアにより、”35xxxv”は、邦楽ROCKという領域を超え、世界に通用するワールドワイドなサウンドに仕上がっているわけだ。
- アルバム自体の構成は、過去にリリースされているアルバムにも共通するものがある。
(Track1がインストで始まるアルバムは過去に3枚ある)
Track1「35xxxv」は、アルバムのプロローグ的なインストで始まっている。
Track2「take me to the tops」からはメロコア節炸裂。全英詩。
Track3「cry out」は、アルバムのヘッドソングであり、PVも最初に公開された。
Track4「suddenly」は、G.Toruが手掛けており、ギターカッティングを多様に仕込ませているあたりがcoolでカッコいい。
Track5,6は、「るろうに剣心」の主題歌に起用された、「mighty long fall」「heartache」と続き、るろうに剣心ファンも心を掴まれたに違いない。
Track7の「memories」。英詩と日本語の境がわかないくらい、軽快なメロディに乗っている。
Track8「decision」は、昨年5月に3週間限定で劇場公開された、2013年にアジアツアーを行った際のドキュメンタリーフィルム”FOOL COOL ROCK”のエンディングソングとして起用されている曲。
Simple Planと交流が深く、2013年のpunkspring2013のステージにTakaがゲストでVo.をとったことが印象的だが、彼らの影響もかなり受けているメロディだと感じた1曲だ。
Track9「paper planes」には、sleeping with sirensのVo.Kellinが参加。
Takaが女性Vo.のバンドに関心があるようで、USツアーの際に交流が深まり今回の参加につながったのかもしれない。
Track10「good goodbye」これも全詩英詩。他の曲に比べると落ち着いたサウンドで、彼らにとっては、バラードの類に入るのではないだろうか。
Track11「one by one」全詩英詩。Takaのシャウトから始まる。サビはLinkin Parkを彷彿とさせるスクリーモ。よくぞこんな声が出るものかと!deathである。
Track12「stuck in the middle」このアルバムで私が1番気に入っている曲だ。
ハードコア要素だけでなく、ミクスチャー要素をも取り入れている、実験的でエモーショナルな、男臭さを感じる曲。
Track13「fight the night」は、ラストを締めくくるにふさわしい、ソフトなメロディライン。
(初回限定盤には、Track13が終わった後、10分後に隠しトラックがありますので、最後まで聴くように!) - *初回限定盤のジャケはデジパック、スタジオセッションのDVD付です。*
- 全体的な技術的な感想としては、まず、Vo.Takaの英語の発音が劇的に上手くなってること。
日本人が苦手とする、「r」の発音がめちゃくちゃいい!
「burn」という単語がしばしば出てくるのだが、燃え上がる、ヒートするといったことに感化されていたのではないかと感じた。
また、元々高音が出る喉の持ち主だが、更に高音が出ていて、かつ音にブレがないこと。
バンドの技術面から聴くと、ギター。カッティングを多様化し、ROCK好きにはたまらない奏法だ。
ベース、ドラムのリズム隊の重低音がはっきりとしており、ラウド系には欠かせない要素だ。 - アルバム作りには、プロデューサーの力が大きく左右してくるところだが、今回のアルバム”35xxxv”はエンジニアの力云々よりも、ONE OK ROCKのメンバー全員の、アルバム制作に対する意欲の強さと、海外でステージをこなしてきた溢れんばかりの4人の自信がこの1枚に凝縮されているように思える。
一言で形容すると、「和製 Linkin Park」
といった感じだろうか。 - 洋楽オタクが完全にハマってしまうほどのクオリティの高さ。
洋楽は歌唱力もそうだがバンドも上手くてアグレッシヴでないと売れないのが現実だ。
それをすべて兼ね揃えている今のONE OK ROCKに目が離せない。
いや、音楽好きならば、彼らから目を逸らしてはいけないのだ。
つい先日、国内最大の野外フェスである、FUJI ROCK Festivalに出演が決定。
5月から始まるアリーナツアーも目前に控え、最新アルバムをGETしておこう!
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