カーティケヤン「フォース・インディアになど全く興味なし」


 ナレイン・カーティケヤンは、インドを代表するF1ドライバーになるだけの能力はないとビジャイ・マルヤに決め付けられたことに対し、弱小チームでドライブする気などさらさらないと反論した。

 フォース・インディア代表であり、カーティケヤンと同郷のマルヤは、彼も、カルン・チャンドックも、F1で走るだけの十分な才能を持ち合わせておらず、先週発表された同チームのラインアップ、ジャンカルロ・フィジケラとエイドリアン・スーティルには及ばないとほのめかした。これに対し、かつてジョーダンでドライバーを務めたこともあるカーティケヤンは反論している。

 2008年にスパイカーを買収する形でフォース・インディアが誕生して以来、カーティケヤンとチャンドックの両名は、同チームのドライバー候補として何度となく名前を挙げられてきた。だがマルヤは、彼らの能力は不十分と発言、将来的にはインドからルイス・ハミルトンに匹敵するドライバーを育てていくために、F1への道筋を作っていくという希望を述べている。

「(カーティケヤンは)F1にフィットしていないというのが私の考えだ」彼は最近、ヒンドゥスタン・タイムズにそう語っている。

「(チャンドックは)私の息子のような存在だ。だが私は、フォース・インディアF1のプロフェッショナルなルールを破ってはいない。カルンに関しては、述べたとおり私との個人的な関係があるにすぎない」

「このチームは完全にプロフェッショナルなチームであり、チームが必要とすることであれば、それは単純明快に実行に移される。インド人ドライバーを乗せたいという目的のために、インド人ドライバーを雇い入れるつもりはない。矛盾するようだが、個人的には、インド人ドライバーをやがては走らせたいという気持ちは持っているがね」

「2009年に我々は、ドライバー育成の包括プログラムを立ち上げるつもりでいる。そのプログラムを通じて若い才能を開花させたい。国際カートレース、シングルシーターのレース、GP2、そしてF1への道筋を作り、その費用はフォース・インディアが面倒を見るつもりだ。私自身は(インド・モータースポーツ連盟)FMSCIはF1ドライバーの育成ばかりを考えるべきではないと思っている。FMSCIは、インドにおいてモータースポーツの裾野を広げることを考えるべきだ。F1ドライバー(の育成)に関しては、フォース・インディアF1としての私自身の仕事だ」

 一方でカーティケヤンは、彼の才能を否定するマルヤのコメントに対し、フォース・インディアへの加入に興味を示したことはないと述べている。

「以前ジョーダンで不満だらけの時間を過ごした。そのチームで僕は貧弱なパフォーマンスのマシンをドライブしなければならなかった。2007年8月にはスパイカーがオファーをくれたけれど、このチームには見込みがないと判断して断ったんだ」とカーティケヤン。

「僕はもう、口ばかりでパフォーマンスが低いチームでは走りたくはないんだ。マルヤにはアプローチしたことはないよ。そのチームに関して聞こえてくるのはネガティブな話ばかりだよね。はっきり言うけど、僕はフォース・インディアでドライブすることに興味は全くない」

 またマルヤはF1界の他の人々からも反対意見を受けている。そしてその多くは、カーティケヤンとチャンドックに対するマルヤの評価は見当外れだというものだ。

「グランプリドライバーでない人間がドライバーの資質を評価することなどできない」かつては2度の世界チャンピオンに輝いているエマーソン・フィッティパルディはそうコメントしている。

「ナレインがF1を走った時のシャシーはコンペティティブなものではなかったし、十分なテクニカルパッケージが与えられなかった。良い車が与えられれば彼がGPで勝つ可能性はある」