先日のエミン・ユルマズ氏の動画でも紹介されていた、ボブ・ファレルの投資ルールを紹介したい。
元記事は、今も生きているウォール街の「10の投資ルール」…1998年に伝説的人物が作成 | Business Insider Japan
から。
ボブ・ファレルとは、メリルリンチ(Merill Lynch)で45年間働いたテクニカル分析のパイオニアである。
キャリア終盤の1998年に、10の投資ルールをまとめた。その頃はドットコムバブルの真っ只中であったため注目されることはなかったが、2001年から2003年にかけて株価が下落するのに伴い、そのルールの多くが真実であったことから、徐々に認知度を高めていったようである。
1. 市場のトレンドは時間の経過とともに平均に回帰する傾向がある
「トレンドが一方向に行き過ぎると、反転や平均への回帰が起こる傾向があるため、投資家は何らかの形でそれに備えた方がよい」とサットマイヤーは述べ、40年にわたる長い下降トレンドの後に金利が上昇を続ける可能性があることを指摘している。
2. 一方向への過剰は、逆方向への過剰を引き起こす
「平均への回帰だけでは十分でない場合がある。相場は一方向へ過剰に動いたあと、今度はその逆方向に過剰に動くという振り子のような揺れを示すことがある」とサットマイヤーは述べ、暗号資産関連の銘柄が、1年も掛からずに12倍に高騰したが、その後6カ月も経たないうちにその価値が77%失われたことを例に挙げた。
3. 新たな局面というものはなく、過剰な状態は決して永続しない
「過剰が積み重なると、『今回は違う』という言葉を耳にするようになる。投資家が新しい局面について語るとき、大きな動きはすでに起こっている可能性が高く、その動きが継続するには市場心理が極端すぎる」
4. 指数関数的に上昇または下降する市場は、思ったよりも長続きすることが多いが、横ばいで調整されることはない
「放物線状の上昇、資産バブル、投資家の熱狂と株価の暴落はこのルールに当てはまる」とサットマイヤーは述べ、最近の例としてアーク・インベスト(Ark Invest)の主力ETF(上場投資信託)が70%以上下落したことを挙げた。
5. 一般の投資家は、高値のときに多く買い、安値のときに少なく買う傾向にある
「『逆張り』で取り引きをすれば利益が上げられることもある」とサットマイヤーは述べ、アメリカ個人投資家協会(AAII)がこのほど行った調査によると、個人投資家の「弱気比率」はグレート・リセッション以来、最も高まっていると強調した。
6. 恐怖と強欲は、長期的な視点に立った投資判断を覆すことがある
「恐怖と強欲は感情を曇らせ、底値で売り、天井で買うといった誤った投資判断につながる」
7. 相場は全体的に上がるときが最も強く、一握りの優良銘柄だけが上がるときに最も弱くなる
「銘柄の幅広さを見ることが重要だ。幅広い銘柄の上昇は継続する可能性があり、わずかな銘柄の上昇では失敗しやすい」
8. 弱気相場には3つの局面がある。急落、反射的な反発、そして長引くファンダメンタルズの悪化だ
このルールを今日の市場に当てはめると、周期的な弱気相場を迎えたS&P500が、ファンダメンタルズ(基礎的事項)の悪化という局面に入り、下落する可能性があるとサットマイヤーは見ている。
9. 専門家の意見や株価予測が一致すると、それとは別のことが起こる
「このルールは、専門家の間で一致した意見が市場に反映されないことがあり、予測が当たらないリスクがあるということを示唆している」
10. 強気相場は弱気相場より面白い
「強気相場は景気拡大や資産形成と関連し、弱気相場はしばしば不況や資産の損失に関連している」