次男がついに巣立った
自分で自分の道を決め、県外で働くこととなった
いつでも帰っておいで
そう言った親に
誰からも叱ってもらえなくなったら、諦めて帰ってくることにする
そう最後に言って出て行った
そう言えるのであれば、多分大丈夫
あっけなく巣立った
靴下も履けなくて
耳もうまく聞こえず、しゃべることもできず
小学校には馴染めず
でも、今は
自分でネクタイを綺麗に結び
まともなことを言って
社会人の仲間入りをした
家を出る前の数日間は、高校の友人が泊まりに来てくれてしばらく滞在していた
卒業後も高校の先生が電話をしてきてくださっていた
たくさんの人に囲まれた彼
靴下が履けなくてよかった
小学校に馴染めなくてよかった
もし、順風満帆だったら、今の彼はいない
逆風の中、道なき道を、素手で草や木をなぎ倒しながらって進んだような子育て
その中でたまーに綺麗な花が咲いてたりして
その花に励まされて…その繰り返し
進んでいる最中は本当に大変だったし、ボロッボロになったし、殺気だったこともある
だけど、振り返ってみたら、全て楽しかったと思う
あれが本当の青春だった
そうやって人生は終わっていくのだと思った