『ベロニカは死ぬことにした』
2005年 日本
《スタッフ&キャスト》
監督 堀江慶
原作 パウロ・コエーリョ
脚本 筒井ともみ
撮影 柳田裕男
音楽 アンドレア・モリコーネ
出演 真木よう子/イ・ワン/風吹ジュン/中嶋朋子/荻野目慶子/田中哲司/片桐はいり/多岐川裕美/淡路恵子/市村正親
《解説》
私の世界にはなんでもあるけどなんにもないの
世界120か国以上で翻訳された人気作家パウロ・コエーリョの同名小説を、多数の映画脚本を手がける筒井ともみが舞台を日本に置き換えて脚色、監督は「渋谷怪談」の堀江慶
閉鎖的な日々に生きる意味を見出せなくなったヒロインを、真木よう子がみずみずしく演じたほか、市村正親や風吹ジュンらベテラン勢のユニークな存在感、韓国の若手俳優イ・ワンが映画初出演を果たした
《物語》
図書館で司書として働く若い女性トワ、眼鏡をかけて地味な服装で事務的な作業を行っている、夜になると眼鏡を外して真っ赤なドレスを着てお洒落なバーで男に囲まれている
充実した生活を送っているように見えるトワだがバーから帰宅すると大量の睡眠薬を飲み、意識朦朧とする中で、大嫌いな自分への手紙を書きながら意識を失った
森の中にある病院の一室で目を覚ましたトワ、そこは少し変わった病院でホテルのような雰囲気で開放的である、青いガウンを着た患者たちは院内で自由に過ごしている
トワは院長の初診で睡眠薬の過剰摂取の昏睡状態で心臓が回復不可能なほど傷付いてしまった、心室が壊死してしまい余命はあと1週間から10日だと宣告される
他の患者と距離を置くトワだったが敵意を向けられた患者をぶったことで患者たちの間で混乱が起こる、トワも混乱してしまい自室に戻ると同室のサチが自慰の真っ最中
サチやほぼ回復しているショウコとは交流を深めるトワ、更にトワを見つめる青年クロードの存在に気付いたトワ、彼は夜の病院の庭で踊ったり、油絵を描いたり
診察を受けるトワは自殺未遂の経緯を語った、何でもあるけど何にもない、28歳は変わるには遅すぎる、一度若さを失ったら後は下り坂、良いことなんかなにもない、退屈な人生にうんざりした、余命少しでも自分の手で人生を終わらせたい
いろんな患者や婦長の過去を聞いて自らの過去と向き合うトワ、言葉を発しないクロードの過去を看護師から聞き、ショウコとサチから今したいことをするべきと言われ、クロードと満たされた性的な関係で結ばれたいと願うトワ
《感想》
ベストセラー作家パウロ・コエーリョの同名小説を舞台を日本に置き換えて映像化した作品で、何に不自由もない生活を送っていてそうなトワなのですが自殺を計ります
昼間は図書館で司書として働いて、夜は恋人とバーで酒を飲んでいます、昼間は地味な姿で淡々と事務仕事をこなすのですが、夜は眼鏡もなく化粧をして赤いドレスで羽目を外しています
女性にはこんな変身願望が少なからずあるような気がします、平日はスーツでカチッとした真面目な姿、でも夜は体のラインを出した服装で男の目を引く
そんなトワを演じるのは「下妻物語」の真木よう子で、本作で注目をされたのは真木よう子の月の光に照らされた美しいヌードではないでしょうか?
本作の中でもセックスでは感じたことがなくて感じたフリをしていた、それが楽だったと、それに感じたとしても虚しくなる、それは深い海に吸い込まれていくようだと
トワに自慰を勧めるサチを演じるのは中嶋朋子、サチは睡眠療法で意識を失うのです、魂が体から抜けて浮遊しているんです、サチは報われない愛を求め、産んだ子を上手く愛せない
病院の外に連れ出してくれるショウコを演じるのは風吹ジュンで、優秀な弁護士だったのですがボランティアで人の役に立ちたいと願うも周りから反対されてパニック障害を引き起こしてしまいます
婦長を演じるのは「忠臣蔵外伝 四谷怪談」の荻野目慶子で、彼女も何回も自殺未遂をしていて、それは自分のことが嫌いだったから、好きになった今は大丈夫だと
トワは母親の期待に応えようとずっとピアノを頑張ってきたのですが応えれなかった、母親を演じるのは「聖獣学園」の多岐川裕美、院長を演じるのは市村正親
サチの幽体離脱をさせてしまう医師を演じるのは田中哲司、インパクトが強烈な看護師を演じるのは片桐はいり、その他にもサナトリウム病院が舞台なので個性的な人たちだらけです
そして無口なクロードを演じるのは韓国の俳優イ・ワンで、親が決めた道に進むのが嫌で、自身は画家になりたく院内でも描いています、ラストには真木よう子とセックスシーンを演じています
生きる意味を見出せなくなった女性が、自分の人生を取り戻そうとしている人たちを見て自身も生きる道を選択するのですが、生きる意味なんて考えても答えは出ないと思います、それにみんな何かの役には立っています
世界的なベストセラー作家パウロ・コエーリョが初めて映画化を認めた! それが『ベロニカは死ぬことにした』です。
こんなサナトリウム病院なんてないと思いますが、この病院なら治りそうな気がしないでもないです。
更に過激な:続・裏237号室の『ベロニカは死ぬことにした』のレビューはこちらです。















