『レオン』
1994年 フランス・アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 リュック・ベッソン
撮影 ティエリー・アルボガスト
音楽 エリック・セラ
出演 ジャン・レノ/ナタリー・ポートマン/ゲイリー・オールドマン/ダニー・アイエロ/ピーター・アペル/ウィリー・ワン・ブラッド/ドン・クリーチ/キース・A・グラスコー/マイケル・バダルコ/エレン・グリーン
《解説》
凶暴な純愛
「グラン・ブルー」のリュック・ベッソン監督のハリウッドデビュー作、凄腕殺し屋と12歳の少女の純愛と戦いを描く、朴訥だが頼もしいジャン・レノと繊細でいてたくましいナタリー・ポートマンの2人の魅力が大きい
少女マチルダを演じるのは、オーディションで選ばれたナタリー・ポートマン、寡黙な殺し屋レオンをベッソン作品おなじみのジャン・レノが演じている
《物語》
ニューヨークで孤独に生きるイタリア系移民のレオンはプロの殺し屋、イタリアンレストランの経営者で裏の顔はイタリア系マフィアのボスであるトニーを仲介した依頼を完璧にこなす
仕事帰りのレオンはアパートの隣室に住む少女マチルダと少しの会話、彼女の顔には暴力の痕があった、父親や義姉から虐待を受け、幼い弟のマイケルだけに心を開いている
その翌日、マチルダからミルクを買ってくるとレオンのお使いに行く、父親が麻薬密売組織の商品を横領した事でスタンフィールドとその仲間がアパートに乱入して一家を皆殺し
レオンのお使いでミルクを2パック買いに出掛けて難を逃れたマチルダは部屋を素通りし、隣室のレオンに助けを求め、巻き込まれるのを恐れるレオンだったが彼女を部屋に入れた
弟の死に涙を流すマチルダはレオンの部屋に様々な銃がある事で彼を殺し屋だと分かり、弟の復讐の為に何でもするから殺し方を教えてと弟子入り志願、孤独なレオンとマチルダの奇妙な同居生活が始まった
ある日、アパートの部屋に弟の物を取りにこっそりと入った時にスタンフィールドが現れ、咄嗟に隠れたマチルダはスタンフィールドが麻薬捜査局の捜査官である事を知った
銃を持ってピザの宅配を装って麻薬捜査局に入るもスタンフィールドに捕まってしまう、レオンはマチルダの為に一家殺害に関与した麻薬捜査官を1人始末した
部屋に帰ったところでマチルダの置手紙により、レオンも麻薬捜査局へ突入して一味の2人を殺害してマチルダを救出
スタンフィールドはその鮮やかな殺しとイタリア系という事でトニーの配下の殺し屋だと推測、次の日の朝にスタンフィールドは警察の全部隊を動員してレオンの住むアパートを包囲し、凄まじい銃撃戦が始まる
《感想》
まずオープニングでレオンの鮮やかな殺しが展開されます、そのテクニックは遠くからの狙撃ではなくて主に接近戦での殺しでターゲット以外は全員殺して、ターゲットは殺さずに任務を遂行
仕事から戻って来るとミルクを購入して飲み、観葉植物の手入れをする友達もいない孤独な殺し屋、レオンを演じるのは「ニキータ」のジャン・レノ
監督のリュック・ベッソンは「ニキータ」の掃除屋の過去やニキータの過去のエピソードを作ろうとしたそうですが本作の内容に落ち着いたようです
マチルダを演じるのはオーディションで2000人以上から選ばれたナタリー・ポートマンで本作でデビュー、当時13歳で世界的に有名になりました
そんなマチルダは父親と継母と義姉から虐待を受けていていつも痣があったり鼻血が出てたりするんです、その日はたまたまレオンと会話をしてミルクを買いに行ったんです
そこに麻薬捜査局のスタンフィールドとその部下が現れて、麻薬を横領したマチルダの父親ら一家を皆殺し、スタンフィールドは麻薬捜査官でありながら麻薬密売組織と関わっていたんです
スタンフィールドを演じるのは「トゥルー・ロマンス」のゲイリー・オールドマンで、そのイカレタ演技は素晴らしく、彼の功績は大きいですね、それほどスタンフィールドは嫌な奴です
戻って来たマチルダが見たのは殺された家族、その部屋の前を素通りして奥のレオンの部屋の前に立ってレオンに助けてと懇願、ためらいながらもレオンはドアを開けたんです
そこからマチルダは部屋にある銃を見て殺し屋だと気付いて弟子入り志願、レオンは初心者はライフルがいいとビルの上から練習、たまたま絵の具の弾丸を当てたのは政治家だったみたい
レオンの仕事の仲介役をするイタリアンマフィアのボスのトニーを演じるのは「ジェイコブス・ラダー」のダニー・アイエロで、やはりいい味を出してます
復讐に向かったマチルダを助けに行ったレオンはあっと言う間に2人の麻薬捜査官を射殺、レオンはマチルダを抱きしめて安堵します、待たせてあったタクシーの運転手に文句を言われるもベストを尽くしたとね
それが原因でスタンフィールドはレオンの住むアパートに総攻撃をしてくるのですが、レオンはマチルダの為に戦うんです、自分の事よりマチルダを逃がす事にベストを尽くすんです
アメリカではレオンとマチルダの関係を少女趣味の恋愛だと批難する評論家もいましたが、日本ではそんな声は出ずにレオンとマチルダはそんな如何わしい関係ではなく純粋に愛する者を守る作品です
12歳の女の子に愛された殺し屋 それが『レオン』です。
リュック・ベッソンは本作は不完全版で後に完全版を公開、レオンとマチルダの関係を疑問視する声があったからだそうです、ナタリー・ポートマンも大人になって子供なのに性対象に見られたのは遺憾だと不快感を表してます。