またまたビビりの話です(笑)。これで3回連続ですね。さて、今度はどんなビビりでしょう。エレクトリック・アコースティックのガットギターがリペアーに持ち込まれました。フレットのあらゆる箇所で弦がビビり、指板はかなり悪い状態です。チェックしてみるとフレットの高さは不揃いで、ネックもかなり反って(順反り)います。全体的なフレットの擦り合わせが必要ですが、まずはネックを真っ直ぐにしなければなりません。このギターにはネックの反りが調整出来るトラスロッドがありません。ネックを真っ直ぐにするには熱加工が必要です。ネックを熱加工で真っ直ぐにし、フレットの端の浮きが多数あるのでは接着剤を流し込んで接着し、これでフレットの擦り合わせの準備が出来ました。フレットの擦り合わせが終わり、ナット、サドルの高さを調整します。ナットは微調整で大丈夫でしたが、最初の弦高が低かったので、サドルの底に付け足しをして弦高を上げました。弦を張り、弦高調整が終わった後は、弦のビビりがないか全てのフレットをチェックします。さて、ここからがこの記事のメインです。全体のフレットの擦り合わせもしているし、弦のビビりはあってはならないのです。しかし、1弦の11フレットと2弦の16フレットがビビります。「えーっ、何でー?!」ガットギターはナイロン弦でスティール弦に比べると弦高も高いし、フレットの高さも合わせてあるので通常はビビるはずがありません。と言うか、少なくともフレットの高さが原因でビビるとは思えないのです。前後のフレットはクリアーでソリッドな音です。しかしビビる箇所だけは明らかなビビりです。「あーっ、やっと終わったと思ったのに、ビビリの原因が判明しないと終われない!」1弦と2弦のそれぞれビビる箇所を何回も鳴らし、そしてあることに気付きました。1弦の11フレットも2弦の16フレットも音が E♭ なのです。1弦の10フレットはビビりませんが、弦をベンドして E♭ まで上げるとビビります。つまり弦ではなく、ギターのどこかが E♭ という音に反応して振動しているのです。絶対にフレットが原因ではないと確信しました。ビビる音はネックやヘッドではなさそうです。ボディーをチェックしても、ブレイス(力木)の剥がれなどはなさそうです。ボディーにはその他、サイドにプリアンプのボードが付いているし、ボディーの中にはワイヤーがあります。もしかしたら、これらのどれかが振動しているかもしれません。しかし、プリアンプのボードを取り外して弦を鳴らしても、ワイヤーを振動しないように留めて弦を鳴らしてもビビりは同じです。ボードのネジが緩かったのかなと思い、ネジをしっかりと締めてもビビりは解消出来ません。どこを探しても振動しそうなところは見当たりません。そして最後の砦、エンドピン・ジャックが取り付けてあるボードをチェックすることにしました。「もうここしかない。ここであってくれ!」まずネジがしっかりと締めてあるかどうかチェックしましたが、問題ありません。しっかりと締めてあります。そしてボードを取り外して弾いてみました。「ビビらない!!!」「やったー!!」全くビビりません。1弦の11フレットも2弦の16フレットも両方ともビビらないのです。ソリッドな音です。このエンドピン・ジャックのボードが原因でした。しかし、このボードのどこがビビるのかが分かりません。どこもしっかりと締めてあります。取り敢えずボードを元に戻してチェックすることにしました。もちろんネジもしっかりと締めます。そして弦を鳴らしました。「あーっ!ビビるー!!」ボードを元に戻すとまたビビります。ネジをしっかりと締めていても、ボードとサイドの接触部分のどこかが振動しているのかもしれません。ボードとサイドの間に紙か何か挟もうかなと思いましたが、あることを考え付きました。ボードを180度回転させて逆に取り付けるのです。ボードは長方形なので問題はありません。そして逆に取り付けて弦を鳴らしてみました。「ビビらない!!!!!!」全くビビりません。全フレットソリッドな音です。何回も何回も弾いてみましたが、全くビビりません。逆にすると、ボードとサイドの間に振動は起こらないようです。ビビりにはいつも困らせられています。ビビりには絶対に原因があります。その原因を突き止めるのが時々大変だったりします。明日からも、ビビり原因追跡の挑戦は続きます(笑)。************************************************ブログランキングに参加しています。よかったら下のアイコンをクリックしてランキングを覗いてみて下さい。ギター ブログランキングへにほんブログ村
奥村健治アコースティックギター製作 IN ロンドン
...