「よだかは、美しいはちすずめやかわせみの兄でありながら、容姿が醜く不格好なゆえに鳥の仲間から嫌われ、鷹からも「たか」の名前を使うな「市蔵」にせよと改名を強要され、故郷を捨てる。
自分が生きるためにたくさんの虫の命を食べるために奪っていることを嫌悪して、彼はついに生きることに絶望し、太陽へ向かって飛びながら、焼け死んでもいいからあなたの所へ行かせて下さいと願う。
太陽に、お前は夜の鳥だから星に頼んでごらんと言われて、星々にその願いを叶えてもらおうとするが、相手にされない。
居場所を失い、命をかけて夜空を飛び続けたよだかは、いつしか青白く燃え上がる「よだかの星」となり、今でも夜空で燃える存在となる」
宮沢賢治の『よだかの星』を初めて読んだ少年の頃、胸が締め付けられた
同時に、憧憬を覚えた
人の中のよだかは、居場所を持てずに命がけで地を這い続ける
燃え尽きて星になることもできない
だから、羨ましかった
星にはなれなくてもいいと思った
ただ燃え尽きることさえできるなら
だけど、よだかのように生まれた人は、燃え尽きることも許されない
役目があるとするなら、人の悪意に食いつくされていくことだ
食物連鎖があるように、人の心も連鎖していく
悪意はなにより、人が吐き出さずにはいられないもの
きれいなものは、よだかには連鎖しない
それはあまりにもまぶしくて、遠くて、見つめると悲しくなる
星になれず、ただ傷つけられるために散っていって人たちを想う
最期だけが、解放される安心なんじゃないかと
そんなよだかのひとりの、誰にも届かない戯れ言