それは、ここにきて何日も経たない時だった。

夜中突然、あれがやってきた!

俺は布団を足で捲り上げ、苦しさから転げ回る。


つぐみは、俺の背中を摩りながら声をかけてくる。


こればかりは、どうにもならない。


過呼吸…


身体をムチで打たれているような感じ。イヤ、それ以上のツラさ。


くる時がきた感じだ。


いつもこれが始まりだ。


そう、幕開け…


パニック障害と過呼吸ほど追い詰められるものはない。


つぐみは、大丈夫、大丈夫と何度も見た光景だろうが、やはりうろたえる。


そう、紙袋がいる。なんてことは忘れている。


人間は哀れなものだ。


あれだけツライ思いを何度もしてきたのに、忘れている。


哀れなもの…


哀れなもの…


そして、それも何もなかったように収まっていく・・


これから、本当の意味での恐怖がくる。



解っている事が起こる恐怖を俺は感じていた。



逃げたい・・・・