風が強いなぁ・・・・
それをものともせず、つぐみは手を引き真直ぐ歩いていく。
廻りから見れば、子供が手を引かれ歩かされているように見えているかもしれない。
すると、『HIROTO、ここに住もうよ。そうだよ!ここがいいよ。』
俺は答える事が出来ない。
『だってここなら、誰も知らないし、知ってる人もいないじゃん。ねぇ!』
つぐみは、俺が病気になってから、どことなく人嫌いになっている事を分かっている。
『そうしようよ。ここなら大丈夫だよ』
しかし、俺は何を言えばいいのだろうか?
どうすればいいのかも分からない・・・
自分が自分ではない俺はどうしようもなかった。
もし、言えたとしても今の俺のいう事が正しいなんてことはない。。。
まるで、つぐみの手を離したら、どこかへ飛んで行ってしまうような
俺がいた。。。