悲しいのか?


懐かしいのか?


どちらとも言えない感覚だった。

あの浜辺…

あそこが目標だっんだ。


『懐かしいね?HIROTO、頑張ったんだよね!あそこまで…』

俺は返答すらしない。


人間とは、とっさの出来事に対応出来ない場合が多いが、病気を抱えている俺は違っていた。


つぐみが来た時は、ある種、自分を一瞬ではあるが取り戻していた。

しかし、それは続かない。


そう、ここに初めて来た時以上に自分が酷い状況だとわかるくらいに…


つぐみの優しさも、母の苦悩も解らない。。。


どこに行くのか?

どこに向かっているのか?


どうなるのか?


それすら、どうでもよかった。

破滅、破滅、破滅…

そう、そういう道へ

足を踏み入れていた。