クルマを降りた俺は、驚いた。
なんだこれ?
写真で見た昭和の風景のようだ・・・
バカにしているわけじゃない・・・・
あたりは、レストラン、コンビニ、そんなものはない。
信号機も、電気が消えている所がある。
やっぱりだ。
こいつら、これくらいハングリーな生活してなきゃ裸で日本迄、来れるわけがないと・・・・
それくら人間は、憧れの中の裕福を実現させる力を持っているんだ・・・
それには、怖い、イヤだなど言ってられない・・・・
パンとオオの主食は中華だ。
偏食の俺は、なぜか日本にいる時からオオの中華料理が好きだった。
それだけは、安心できる・・・・・
パンは器用で、着くとすぐに、ハンマーと釘、そして、大きな板や、木材を持ってきて、テーブルをあ
っという間に作ってしまった。
こいつ等と、話をする言葉は日本語だ。俺は、広東語は知らない。というより、多国語はじゃべれな
い。そういう意味でも、彼らは対応能力が凄い。
俺は、オオと二人で市場に行った。それも、クルマで30分くらいは知らなければならない。
市場で俺は興味津々だった。
食えんのかよ~って色をしている魚や、野菜なども見たことないものばかり・・・
その中で、やはり南国、フルーツも見たことないものだらけだ。
店のおばさんが、何語か分からないが、色で言ったらブラウン、肌触りは人間の肘のような丸い果物を
いと作れた。それを、オオが廻りの皮を上手くむいてくれて、中にあるナタデココみたいなものを食べ
た。『うまい!』恐る恐る食べたが、うまい。中に黒い種が入っていて、オオに名前を聞いたら、
『ロンガン』と言った。
変な名前だと思い、おばさんにペンと紙を貰い書かせた。
『龍眼』
そうか、龍の眼か。。。。
俺は、ポケットにある金を出してこれくれと、ジェスチャーをした。
おばさんは、ノーという。
そうだ、これ、円じゃん・・・俺は、こういうとこが抜けている。というか、日本で出会い、遊びまわ
っている感覚なっているからかもしれない。かなり、苦しい言い分だが・・・
オオは札を出し、その果物を買った。
『いくら』と聞いて金を出そうとすると『いいよ。30エンくらい』といった。
30円でこんなにって量だ。
凄い。。。。
そうこうしている内に、買い物も終わり、パンが待つ家に戻った。
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