ママはゆっくりと、カウンターから出てきた。


男の横に座ると、『あんた、〇〇さんとこの人だよね』と言う。


男は完全にしらふに戻っている。


『すいません。つい・・・・』


『違うんだったらいいんだけど・・・』


『あんた、子供いるの?』


『はい・・・』


『子供に向かって灰皿投げるの?』


『いいえ・・・すいません・・・』


『私は知らない男に自分の子に灰皿投げられて大怪我させられそうになったのよ』


『すいません・・・ホントにすいません』


『あんた何してる人?』


『不動産関係の仕事を・・・』


『不動産屋さんはそんなに偉いの?』


『いいえ・・・これで勘弁してください』と、財布から札を抜きカウンターに出した。



ヤバい・・・これはヤバい・・・


『あんた!なんでも金で解決できると思ってんのかい!』と、鬼の形相とはこの事だ。


ママはこの手のやり方を一番嫌う。


『こんなはした金で、事が終わると思ってんのかい!』


『足りなければ持ってこさせますから・・・おいくら・・・?』最悪の展開だ!


『まけといてあげるよ。3億!』


『すいません、勘弁してください。。。。』


この辺で止めないと、コイツ徹底的にやられるよと思い、


『おじさん、もういいよ。ママもいいだろ。反省してんだから・・・』


『いいわけないだろ!』と、下を向いている男に見えない様に舌を出している。


『おじさん、頭上げなよ。今日はついてなかったんだよ。なっ!でも、おじさん、灰皿は良くないよ。

酒飲んでてもさ。ホント、当たったら死ぬよ。』


そういうと、ママが男に向かって、『勘弁してやる代わりに明日、5千円もって夕方ここへきな。こなかったら、許さないからね。』


そういうと、男と、連れは帰って行った。



俺は翌日、また、コーヒーを飲んでいると、『昨日はお騒がせしました。』といい、上等なワインを持ってやってきた。



ママってホント、優しいよなと思いながら、集まる客を待っていた。。。。。




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