俺は、ヒロミを二階に連れ寝かし、又、ママと話をした。
『俺さ、新潟へ行ってまもなくして、驚くような体験をしたんだよ。ママ、ダイヤモンドダストって見
たことある?』
『ないなぁ・・・・』
『スキー場でさ、ナイターやってて、俺はそれを見に行ったんだよ。なんで夜までスキーするのかって
思ってね。そうしたら、目の前を見ているとキラキラを何かが降ってきたんだ。空を見上げるとそのキ
ラキラとしたものが、あたり一面に落ちてきて、なんだこれ?と思ってさ、そうしたら、近くにいた人
が、ダイヤモンドダストって言いだして、へぇーと思いながら見つめてた。』
『そうなんだ・・』
『でもさ、おかしくない。ダストって、埃でしょ。ダイヤモンドの埃って。あんなに、綺麗なのに、誰
がつけたか知らないけど、埃はないでしょ。』
『お前の考えそうなことだよ・・・』とママが笑っている。
『ママは見たことないからそういうけど、見たら絶対同じこと言うよ。』
『じゃあ今度、見せてやるよ。っても、条件が揃わないと出ないらしいんだよね。』
『私より先に見せてあげなきゃいけない子がいるんじゃないの?』
つぐみ・・・・・
『いや、いないよ。ママが言いたいことは分かってるけど、俺達、終わってるから・・・』
『そうか・・・あれから連絡も取ってないんだ?』
『ああ、とってない』
『冷たいねぇ~』
『そうかもしれないけど、それが一番いいんだよ。俺がまた、同じような事になればアイツも大変だし、アイツは普通に結婚して子供作って・・・それが一番いいと思う。』
『連絡くらいいいんじゃないの?』
『いや、あれで終わりがいいんだよ・・・』
『気にならないの?』
『気にはなるよ。でも、それはそれ・・・・』
そうしていくうちに夜が明け、俺たちは電車に乗り、家路についた。
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