あれ以来、ヒロミは顔を出さなくなった。


それは、それでいい。。。



携帯がなる。


母からだ。


『もしもし。』


『もしもし、元気にしてる。』


『何とかね。』


『よかった。おじさんの処へは行ったの?』


『いや、墓参りは前に行ってきたけど・・・こんな形で会うのもなんだなぁと思って』


『そうっか。』


『そうしたの?何かあった。』


『近況を知りたかったの。親として当たり前でしょ。』


『はあはあ、そうだね。おふくろは元気にしてる?』


『してるわよ。あっ、そういえば、つぐみちゃん。通信の学校出て、会社に勤めてるんだって』



つぐみ・・・そうか・・・



『あっ、そうなんだ。。』


『そろそろ、帰ってくれば?』



『いや、俺にはまだ自信がないよ』


『そう。でも、いつまでもそうしていられないでしょ。』


『そうだけど、ママさんも心配していたわよ』


『だろうね。』


『用事があって、近々に一度帰らなきゃいけないんだけど・・・』

『そう。じゃあ、その時に食事でもしようね。』



そういって、電話を切った。



俺の行先を暗示するかのような電話・・・・


これからの俺を導くような電話・・・・



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俺はいう事に決めた。。。



これが、何だかんだ言っても、コイツはこの町でたった一人の知りだからだ。


『友達は大丈夫だ・・・』


『HIROTOが、なんとかしてくれたの?』


『いや、そうじゃない。』


『じゃあ、なんで?』


『初めから出来上がっていた話なんだよ。』


『どういうこと。』


『お前は、その友達に嵌められたって事・・・』

『ウソだ。その間、帰ってきた時とは、全然、違って優しくて・・』


『そうだろうな。』


『うそだよ。。。』


『本当だよ。』


『そんな、そんな、私、裏切られたの?』

『そうだ。俺の生まれた街でもよくある事だ。』


『えっ!』


今迄、自分の事を話さなかった俺が、そういうとビックリしている。


『そういうことだ。今度、行くときは、はとバスにでも乗って行って来いよ。』



そういうと、コーヒーを飲むためのお湯を沸かしに行った・・・・



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