それからも、俺は廊下の往復をやめなかった。
これからが、正念場だと思っていたからだ。
仕事をしていた時に、そういう人間を何にも見てきた。
契約が一本取れれば、安心してしまい、その後、さっぱりという人を・・・
俺は、それをイヤというほど見てきたからだ・・・・
やめれば戻る。安心すれば足元をすくわれる。。。
疲労が出てもやめなかった。
一度だけ、つぐみを怒った事がある。
『今日は疲れてるから休めば・・・』と、つぐみが言った。
『何言ってんだ。ここで休めば、その付けは必ずくるんだよ。やり抜くんだ。これは俺の仕事だ』
そういうと、つぐみは何も言わなかった。
つぐみの言ってくれる気持ちは分かるが、そういう訳にはいかない状態にいる。
そんな時間の経過の中、母とママがやってきた。
『海に行けたんだって。。。』と、ママがいい、母は『頑張ったね』と言った。
二人は喜んでいた。
でも俺は、『まだまだだよ』と、黙々と歩く・・・
ツライ、苦しい、それには変化がない・・・
あっ!と、思い後ろを振り返り、二人に『今日は帰るんだよね』と聞くと、
笑顔で二人ともカバンを見せた。
マジかよ・・・・
観光じゃねぇんだから・・・
と、笑った。二人の気持ちが分かっているから。。。。
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