俺は、時間、日にち、全てが失われていた。
朝日と夕暮れが、唯一の世間との接点。。。
すると、母とママががやってきた。
部屋のテーブルにケーキが置かれた。
『おめでとう。今日は誕生日ね。』といい、母がろうそくを立ててくれる。
ママが、『HIROTO、おめでとう。』といい、綺麗にラッピングされたプレゼントをくれた。
つぐみは、なんだかうれしそうだ。
『ありがとう。。。。』というが、誕生日という感覚もない。
ただ、ここ何年、数ヶ月、時間だけが過ぎている。
ろうそくの火を消してと言われ、それを消すと3人が手を叩く。
ママが開けてみてと言い、袋を開けた。
中には、キャップが入っていた。
つぐみがそれを頭に被せ、似合うよと言っている。
俺は病気になる前、洋服とスニーカーだけが趣味だった。
世間で言われる派手な恰好もしていたし、自ら好んだものしか身に着けなかった。
『これで、被って今度、散歩に行こうね』と、つぐみが言う。
3人はケーキを食べている。
俺は甘いものを好まない。
そんな中でも俺の目が行く先は、外の海だった・・・・
青い海・・・
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