携帯が鳴り、出てみると会長だった。


俺の住所と、母に印鑑証明、それに印鑑を来る人間に渡して欲しいと連絡をしてくれとの事だった。


俺は、母に連絡を入れ、その旨を伝えた。幸い家から区役所は直ぐの処なので、それは良かった

が、母は印鑑証明という事で、心配していたが、大丈夫だからと伝えた。



なにするんんだろう・・・


中古のクルマでも今日は難しいだろうに、手だけは最速で打つつもりなんだと思った。



ばあさんは、寝ている様だ。


俺は、郵便局の人や近所の人の対応をしていた。


忙しい家だ・・・・



夜になると、心配になり、ばあさんを見にいった。


まだ寝ている。


すると、クルマのヘッドライトが家の庭を照らした。


会長だった。


『待たせたね。』といい、俺に印鑑を返してくれた。


俺は、ばあさんを起こしてきた。


『奥様、お待たせしました。こちらへ』といい、庭に出た。



さっきの、会長のクルマの後ろに、もう一台、クルマが止まっている。



ウソだろ、と思っていると会長が、『後はHIROTO君が気に入るかどうかです。』と言う。


『まぁ、私のクルマ選びは、先生譲りですから・・・』と、笑っている。



会長のクルマを反転させ、そのクルマを照らす。


パールホワイトの超高級車。


中から車検書を出してきた。俺の名前、もちろん新車と分かる記載がしてある。


ナンバーも横浜。


こんな・・・と思っていると、


『ありがとう、ありがとう。これで明日、ドライブに行けるよ』とばあさんが会長に言った。


『ばあさん。寒いから中に入ってろよ。明日、よく見ればいいじゃん』といい、ばあさんは家の


中に入っていた。


会長は、『今日は時間がなかったから純正だが一日くれればしっかり決めてあげるから』と言う


そんな事より、『会長そうやったんですか?』と聞くと、


『世の中に出来ない事はないんだよ。でも、自分で言うのも何だが地位が邪魔な時もある。しか

し今回は、それ以上の事なんでねぇ。地位よりも大事な。でも、変な事はしてないよ。心配な

い。ちょっと、無茶をしただけだ。それ以上は、しらない方がいい。国や役所が嫌いになる』と


いい、お茶を一杯飲んで帰って行った。


俺は言葉もなかった。


ただ、こういう事、出来ちゃうんだ・・・・


と、思う事くらいしか・・・・・


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