俺は、そうだと思った。
この人達は東京本社の人だろう・・・
でも、出来るのかなぁー?
人間に順位を付けるのはいけないが、この人達クラスで分かるのかなぁ?
見立ては誰も、東京本社社長って感じじゃないし・・・やっぱり無理かなぁ?
そんな事を考えていると、庭先まで車が入ってきた。
ウソだろ・・・・それ不味いだろ・・・と思った。
でも、クルマは凄いクルマ。車自体は国産の最高級なのだがカスタマイズされていて、しかも品のある
クルマだ。
運転席から出てきたのは会長だった。
『すいません。奥様。』というと、
『案外、元気そうでよかったよ。』と、俺にも声を掛けてくれた。
クルマ屋さんは、ビックリしている。
『そうなんだ。用意できるんだろうな?』
みんな下を向いている。特にさっき行ったクルマ屋の人はしきりに汗をかいている。
『奥様、今日でなければいけませんか?』と言う。
『そうなんだよ。私はクルマの事は分からないけど、そんなにややこしいのか?』
『本来は。。。。』
『HIROTO君、今日は家に誰かいるかね』と聞かれ、
何のことか分からないが、『多分、母がいると思います』と、答えた。
『印鑑証明を取りたいんだがカードを借りてもいいかな』何なのいったい?
『会長ならいいですけど、なにするんですか?』
『奥様、この車をHIROTO君、名義にするという事では・・・・』と、会長が言った途端、
『なんで、お前が乗ってる中古のクルマにHIROTOが乗らなきゃならんのだー』と、激怒した。
『すいません。』と、会長が頭を下げている。
『ばあさん、無理なもんは無理なんだよ。会長だって好意でいってくれてんじゃん。そんな言い方ない
だろ』
『うるさい!今回ばかりは何としても無理をさせても買うんだよ。』
俺しか知らない・・・・
自分で分かっているんだ・・・ばあさんは・・・・だから・・・
こんな無茶を言ってるんだ・・・
ばあさんは、『少し疲れたから横になる。それまでに何とかしてくれ』といい寝室に入って行った。
気持ちは分かる、でも、どうにもならない・・・・
俺が考えていたことは、イヤだったが、会長の特別な名刺でどうにかしようと思っていた事だ。
でも、本人が来ても、無理なんだから・・・
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