『失礼します。』


『お邪魔しております。』


などの、声が、ばあさんが帰ってきてから、響き渡る。



ひときわ、目立つのが、『先ほどはすみませんでした。よく言って聞かせましたので・・・』




さっき・・・・・?


まさか!のまさか?



そう、全員、クルマ屋さんの偉い人。



さっきの、電話で吉川と言っていたが、お偉いさんが席を外していたらしく、ばあさんが、今からいく

からと、生意気に言ったから、来たきゃくればの感覚で、電話を切りさっきの応対になったらしい。


俺から見れば、悪いのは、ばあさんなんだけど・・・・


それで、ばあさんが電話をしたとこが、又、初めて聞いたことだった。


生前、吉川さんは、質素に暮らしてはいたが、クルマだけは糸目をつけない程のクルマ好きだった。


そこで、クルマの購入やカスタマイズするコーディネーターを雇っていたらしい。


来たことのない職種だ。



その人に電話を入れ、その人から、この間の会長に電話がいったという面倒な話だ。


会長も吉川さん譲りのクルマ好きで、そのコーディネーターと契約しているらしい。



もちろん、クルマさんに電話を入れたのは会長だ。


慌ててくるのも無理はない・・・


『もう、頭は下げなくてもいい。ただ、私は子供に車を買ってあげたいんだ。時間がないんで今日、買

に行き、持って帰るつもりでいたんだが、出来ないと言われたんで、こういう結果になった。』



子供って、俺のことだよな・・・


『本来なら待てと言われれば仕方い事は、仕方ないと済ますんだが、私には時間がなくてね。』



ばあさん・・・そんな事・・・


『子供とクルマでドライブに行きたいんだよ。』


『レンタカーでいいじゃんよ』と、俺が言うと


『お前のクルマで、お前の運転で行きたいんだよ。』と言われた。


そうか、ばあさんを楽しませてあげるには・・・・


つづく


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