『お前、何かあったんだろ!』
感の鋭い人だ。多分、つぐみとの事をいっているんだろう。
『なにもないよ。』
『それなら、いいが…』
と、言いつつも、わかっているんだろう。
『で、どうなんだよ。身体の方は?』
『医者しか分からん。』
『調子だよ。良くないみたいだけど』
『明日、医者の日だからわかるだろ。』
と、言った。
『じゃあ、俺がついてくよ』
『そんな暇が、何かある訳ないだろ。』
『・・・・・・・・俺、会社辞めたよ。』
『そうかい。なんで、先に言わないんだい。』
『安心した?』
『ああ、安心したよ。ありがとう、ありがとう・・・』と、泣き出した。
『安心してもらう事くらいしか、俺には出来ないから・・・』
この、ばあさん、ここまで俺の事を・・・・
『それが一番だ・・・・それが一番の喜びだ・・・』
と、気丈な人がここまで涙を流してくれる。
俺の為に・・・・
ありがとう・・・
何回、言っても足りない『ありがとう』を・・・・
つづく
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