会長は、話し出した。
『奥様にここまで言われて、何もしない訳にはいかねくてね。ごめんね。』
ゴメンとじゃなくて、こんなことにになるの?
しかも、前に座ってる人、普通、逢えない人なのに・・・
奥様と言いだし会長は話し出した。会長の2つとは、こういう事だ。
一つ目は、会長が会社に圧力をかけ、会社を買収するという事。とそうだ。それな事が出来るのかと思ったが簡単なことらしい。そんな事は、ざらにある話だそうだ。
俺は、上場してないのになんで出来るのかと聞いてみたが、手も内だけは言えないとの事だった。
今、思えば多分、会長の傘下に入れるという条件を出せば、その関連会社になれると思い、ある程度の条件を出せば、社長、役員は手を叩いて喜ぶだろう。しかし、時を待ち、役員会議を何らかの形で開き、全ての役員を排除するという事ではないか?
これはあくまでも、俺の憶測だが・・・・
2つ目は、かなりディープなやり方だった。
叩いてほこりが出ない会社はほとんどない。銀行、税務署といった機関をつかうというものだった。
まずは、大手新聞社には地域欄というページがあるらしい。そこで、まずは、新聞社を使い筋書きを書いて掲載する。勿論、批判的な記事だ。
俺の業界は俗にいうグレーな業界。
社会的にも報道対象にはなっている。
そこで、マスコミにあおらせる。
続いて会長が話し出した。
ある程度、消費者が理解度を高めれば、そこから銀行へ圧力をかける。これは、会長ならかんたんな事だろう。取引きをやめると一言いえば、銀行の出方は分かりきっている。資金で追い込むという事だ。
税務署とは何ですか?と聞くと、
君の会社は、完全に粉飾決済をし、銀行経由で国の制度を利用している。不正融資だ。そこで、税務署に告発すれば、事件になり会社は消滅する。本来なら・・・しかし、そこで、我々が会社を二束三文で買い取り、続行させればいい。
しかし、知らなかったとはいえ僕も役員の一人です。
勿論、君にも手は伸びるだろうが、泊まる事はないようにするよ。
と、笑っている。
今の会社に君は残れないが、部下は大丈夫だ。うちから、新たな人間を入れ込むから・・・
そんなことが、ありえるというか、あるのだろうか?不思議に思っていた。
しかし、言っている人が人だけに、嘘とは思えない。
すると、あえてもう一つというなら、君が奥様の言う通り辞める事だ。
『どうする?』と会長が聞いてくる・・・
どうすると言われても・・・・
俺は、静かに頭の中を整理した・・・・
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