ユリは、滝を見上げている。
なぜ、彼女をここに連れてきたのか、分からない。
多分。。。。。
それから、吉川さんは胸のポケットから、財布をだし、写真を手に取り、それを見ていた。
息子さんの写真だ。
こいつが、生きていればそれだけでよかったんだ。
何もいらない。
金も、車も、何もかも・・・
俺の全財産いくらあると思う。
『わかりません。凄いあるとは思うけど・・・』
200億近くはあるだろ。土地、建物を入れて・・・
『そうですか。』としか言いようがない。
でも、こいつが生きていても俺は一銭もやらないつもりでいた。
ある金を、稼いだ金の意味が分からなくなる。
人間としてこいつに生きて行って欲しかった。
ただ、親バカで、そいつには、それなりの金を与えた。
だから、こいつは働かないまま死んでいったようなものだ。
人生っていう、人が生きるというホントの意味を知らずに逝ってしまった。
それだけが、後悔だ。と呟いた。
苦しさの中に喜びがるとよく人はいうが、そうじゃない。
喜びの為に、苦しさを克服できるんだ。
それが、追い先、短いジジイの言葉だ。
といい、吉川さんは、笑い出した。
俺は、吉川さんを見つめていた。
人にはいろいろな人生がある。でも、生き方をどうこう考える事はなかった。
今月、いくら給与が入って、家賃は払って、光熱費払って・・・そんな感じでしか。
吉川さんは、最後に、HIROTO!
お前は人間として生きていけよ!
と言われた。
それから、直ぐに吉川さんは亡くなった。
俺は、何かあるとここに来て、吉川さんに会いに来る。
その言葉を、胸に刻みに。。。。
『HIROTOさ~ん』と、ユリが呼んでいる・・・・
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