あくる日、俺の体は、手の痺れ、胸の痛み、それはもう限界の上をいっていた。
営業マンは朝、早くから出て行っている。
昨日、事故を起こした営業マンが、昨日の帰り際に、『ありがとうございます。ありがとうございます。』何度も頭を下げてきた。
俺は、『お互い様でしょ。体は平気?』と聞くと、涙ながらに『ありがとうございます』といっていた。
俺は、契約書を渡し、担当者名の部分にサインをさせた。これで、この営業マンの歩合になる。
よかった。。。。
そんな出来事を思い出していた。
今日は定休日で会社には誰もいない・・・
会社の電話も留守電になっている。
俺は、ぼーっと、外を歩く人たちを見ていた。
すると、ある事を思い出した。ユリの事だ。
救急車に乗り、一緒に病医院まで来てくれた、あの子のことを・・・
仕事に、追われ失礼ながら忘れていた。
俺は、昼じゃないと失礼かと思い、十二時過ぎに電話をした。
『はい。ハタナカですが?』と電話に出た。
『あの、この間、病院やなんやらでお世話になった〇〇です。ご挨拶遅れてすいません。』というと、
『電話が来たっていう事は、元気になったんですね。よかった。』
『ホントにありがとうございました。何か、お礼をと思ってるんですが?』というと、
『当然ですよね。じゃあ、今日は何時に時間取れますか?』と聞いてくる
『えっ!今日ですか?』
『問題でもありますか?』
『イヤ。多分、八時位だと思うんですが・・・』
『分かりました。じゃあ、その時間に私が連絡します。』といい、電話を切った。
なんだか、腑に落ちないが仕方ない。
俺は、ひたすら、ぼーっとしていた。
一人でいるとイヤな事や悪い事しか考えないものだ。
俺は、病気の事、会社の事、これからの事、あらゆる不安だけを考えていた。
すると、悪魔が隙をついてくる・・・
死ねば楽になるよ・・・と・・・・・
この病気は一人になる事が怖い。こうなるからだ。
すると、携帯が鳴った。携帯のディスプレイには山田と書いてある。
山田さんか。と、思った。この、山田、半年男の異名を持つくらい売り上げが上がらない、もう年だし、今日は上がらせてくださいとの電話だと思った。
『もしもし』と電話に出ると・・・・
つづく
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