長い道のりのせいか、調子は悪い・・・・
誰かに釘でも打たれているんじゃないかという位、胸の痛みは増す一方だ・・・
会社に戻り、次なる手を打つ計画を立てる。
問題は、回収残をまずは必ず、入金させる方法だ。
下請けの工事が遅れれば、残金の入金はおのずと遅れる。
まずはこれを何とかしなくては・・・しかし、支払いの遅配がある以上、あまり強くも言えない。
良い手立てはないものか?と、デスクに座りながら考えていると、又、厄介者が入ってきた。
チェ!この忙しい時に・・・
もう相手をしている暇なんてない。やるしかないな。
『おい!』 おい!だと・・・・
『お前、いつからそんなに偉くなったんだ。俺の電話を切るなんて!』と、やはり常務だ。
何人かがデスクワークしている、営業室。視線は一気にこちらに集まる。
『常務。まだここでの権限を誇示したいんですか?常務はここにいる人ではないでしょう。もっと、大変な仕事が、あるんですから心配しないでください。』と、言うと
『俺はお前の上司だ。どうして、私に刃向う!』
『刃向ってはいませんよ。間違いをただしているだけです。』
『私が何を間違っている!いってみろ!』
『お言葉ですが常務。常務はこの会社の株をお持ちですか?私は些少ではありますが持っています。』
『だから、なんなんだ。』
『私が株を持っているという事は、私の私財を会社に投資しているんです。』
『だからなんなだよ!』
『つまり、会社が良くならなければ、イヤ、もっと簡単に説明しましょう。会社が潰れれば私の私財も紙くずになるんです。』
『言ってる意味が全く分からん。』
『じゃあ、もっと簡単にいいますね。リスクをしょってない奴に、どうこう言われたくねぇんだよ!』
といい、常務の首根っこを掴み、そのまま社長室に連れて言った。
『社長、こいつが営業の邪魔をするんです。営業妨害ですよ。』
というと、矢面には立たない社長もオロオロしている。
『どうなんですか?社長?』と言った時、俺の携帯がなった。
『もしもし。』
『本部長、290万で契約を頂きました。』との電話だ。
『ありがとう』といい、電話を切った。
『今、290、上がりました。で、社長、僕は降りても構いません。でも、やれというなら、こいつを何とかしてください。常務、常務って、うるさくてしょうがないんですよ。』
社長は、『常務、営業は本部長に任せてあるんだ。君は君の仕事に専念してくれ』といい、
言われた常務は、ムスクれて出て行った。
『本部長、やり過ぎも困るぞ。』
『いえ、その、お言葉、社長からは聞きたくありませんでした。』
『俺はあくまで、救急隊員でしょうから・・・今の契約で1050万の回収見込みです。』
『たったの3日で710万の売り上げです。これは、どういう意味なんでしょうね。』
『・・・・・・』
『覚悟してますから俺は。。。今回は昔の借りを返す為に、無理してますんで・・・』
と答え、出て行こうとした時、
『すまない』と、社長が言ってきた。
俺は、『もう、遅いですよ。』
再生できるものと出来ないものがある・・・と、俺は思った。
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