祈願とは、祈り願う事。




俺は、この時、祈る事も、願う事もなかった。

無心。。。



ボッーとしていたのを憶えている。


『な~に、ぼっ~としてんだよ』と、声をかけてきた。


『神に祈ってんだよ』と、言うと、


『何が神様だ。祈っても、お前の祈りなんか通じないよ』


『おいおい、これでも二回、教会に行った事があるんだぜ』


『困った時のなんとやらか。』



『それは、あってるな。確かに!』


『で、どうすればいい。現金か?小切手か?どっちがいいんだい。』


坂田は今にも倒れるんじゃないかというくらいビックリしている。



『だから、保険なの。最悪の展開の時の、ほ、け、ん!』


『面倒な奴だねぇ~』



『実は、これは表に出せない金なんだよ。つまり、会社への宛名でだせないんだよ』


『なんだって!何があったんだい?』


『..............』


『まぁ、いいさ。今、お父さんにも話をしてきたとこだ』


そうか、墓にいってたのか。


『お父さんの遺言をちょと破る事になるからね。でも、あんたのことだから、お父さんも、笑っていいよって言ってたよ』



『口座教えな。』


『だから、』と、言うと、


『また、頭下げに、こんな田舎までくんのかい。』


俺は、自分の口座番号を教えた。


『ありがとう』


『あっ!金利は?』


『そんなもんいらない!あんたが、生きて、頑張れば、それが金利変わりだ。早く行け!時間がないんだろ』



『分かった』といい、俺は自分の生まれた街に向かった。


坂田は、相変わらず不思議な顔して俺を見ている。。。



つづく

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