子供たちが、ぞくぞくと教会の中へ入ってくる。
中には俺に『ようっ!』なんていってる子供もいる。
無邪気だ。。。
この子達には、損得やそれ以外のいろいろな罪悪はないのだろう。。。
微笑ましいというのは、こういう事なんだなと、ふっと思った。
子供達、奥のキリストの前を通り一礼して、長椅子に座る。
神父が子供たちに『こんにちは。』というと、
子供達は『こんにちは!』と大きな声で答える。
それから、神父はいろいろな話を子供たちに話した。
真剣に来ている子、隣にチョッカイを出している子、さまざまだ。
俺は、そんな光景を見ながら、自分が子供の頃の記憶を思い出そうとしていたほとんど思い出さない。
なぜだろう?
考えても答えは出てこない。出てくるはずもない。
約一時間くらいして、子供は讃美歌を歌いだした。
聞いたことはあるが、名前は知らない・・・
それが終わると、『ありがとうございましたー!』と、いい帰って行った。
帰り際に、さっきの子供が『よおっ!』といって俺の横を通り過ぎて行った。
子供達が帰った後、神父が俺の横に来て『どうでしたか?』と話しかけてきた。
『そうですね。どうですねと言われても、なかなか答え様がありませんよ。でも、いいもんですね。無邪気で・・・』
そう答えると神父は俺の横に座り、こう言った。
『お聞きになられてことはあるかと思いますが、迷える子羊というのをご存知ですよね。』
俺は『言葉だけは・・・』
すると神父は『羊は一匹では生きていけません。群れをなして生きていきます。生きていけなというより、自分たちの弱さを知っているからこそ、助け合っていきているのです。これは、聖書の中のお言葉です。人によってとらえ方は違うでしょうが、人も一人では生きていけないものです。』
そういうと、神父は、『また、気が向いたらお越し下さい』といい、奥のドアへ入って行った。
俺は、一人では生きていけないかぁ・・・
と、心の中で思い、『ヨシッ!』と言い放ち、病院へ行くことを決め、歩きだした。
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