家に帰ると母がいた。
『どこ行ってたの?』と、いつもの調子で聞いてきた。
ウソは言えないので、出来事を全て伝えた。
『何で連絡しないの!』
って言われても、連絡できないじゃんとは言えないので、『ゴメン。』と謝るしかない。
食欲はない。
どうも、俺は体質なのか?なんなのか分からないが点滴をした後は、食欲がない。
母に『ちょっと、横になるよ』といい、部屋に入った。
面倒な病気だ。
しかし、待てよ!なぜ、一日に2回も?ここ数ヶ月、過呼吸にはなっていないし、一日に2回もなるなんて、おかしくないか?
俺は、この病気をなめてるわけじゃないが、この病気は、進行し続ける病気なんじゃないか?
治ってきたなと思わせといて、ドカンと来る。
また、治ってきたなと思わせて、ドカンと来る。
心の傷は深くなる一方じゃないか!
とんでもない事になっている事にも気付いていないんじゃないか?
そう考えると、どっと疲れが出てきて眠ってしまった。
何時間、眠ったのだろうか?
トイレに行きたくなって、目が覚めた。
時計の針は、9時とちょっと回っていた。
トイレから出てきてリビングに入った瞬間、テーブルの上に置いてある花瓶が、まるで水飴のように
グニャと曲がって見えると、部屋全体が歪んで見えた。
もちろん、立ってはいられない。ソファに倒れこむ。
そして、また、呼吸がしずらくなり苦しみが俺を襲ってきた。
母が『大丈夫!大丈夫!』と何度も声を掛けてくるが、声が出ない。
母が『救急車!』と言って電話に向かおうとしたが、俺は母の手を握り行かせまいとした。
母は『何してんの!離しなさい』というが、俺は離さなかった。
呼んでも無駄だよ。
意味がない。これはじわじわと俺を苦しめていく病気なんだ。
ここでも、病院でも、時間が解決するしか方法がないんだ。
そう思いながら、苦しさに耐えた。
それは、自分に対する疑惑を自分で解決しるために・・・
ポチっとお願いします。