『ん~んっ。あっ!』



焦って左の方を向いた。


女性は座っていた。


『すいません。ホントにすいません。失礼な奴で・・・』


女性は、笑いながら、『ジュース買ってきたら、寝てたんでビックリでした。看護師さんが、安定剤が入ってるから、寝ちゃったのよ。と、聞いてあんしましたけでど。。。』


『あっ。そうでしたか。ところで、今何時ですか?



『2時を過ぎたところですよ』


『そんなにここにいてくれたんですか?』


『はい!やることありませんから、気にしないでください』



5時間位、ここにいてくれたんだ・・・


そういえば、名前?聞いてないよなぁ?


『すみません。お名前をお聞きしてもいいですか?』


『あっ!ユリです。ハタナカ ユリです。』


いい名前ですねぇ~とか、普通言うんだろうけど恥ずかしくて言えないし。。。


こんな時、なんて言えばいいんだ。

そんな事を考えていると、『家はあの辺なんですか?』と聞いてきた。


そう聞かれたので、場所を教えると家から歩いて5分もかからない所だと言った。



お礼がしたいから、場所を聞くのが当たり前なのだが、そういう事が苦手な性格の俺・・・


『なんかお礼をしたいんですが、どうしたらいいでしょうか?』なんて、訳の分からないことを言っている俺。


テンパってる。


病気とは、違う意味で・・・


そうこうしているうちに、ユリが『今度、気分のいい日に電話下さい。』


はぁ?



『なっ!なんで!』


『別に意味はないですけど・・・』


『イヤ!違う!そうだね。元気の時にお礼を言わないと失礼だもんね』


と、これまた分からない答え。。。


ユリはクスクスと笑いながら携帯の番号を、カバンから出したメモ帳に書き、俺に渡した。


そして、俺の番号をそのメモ帳に書き写していた。


『じゃあ、帰ります。』


『今日はホントに助かりました。ありがとうございます。』といい、ユリは帰って行った。


照れるというか、恥ずかしいというか。

参ったなぁ~


俺は、医者に大丈夫ですといい、会計は明日持ってきますのでといい、家に帰った。


しかし、これで終わりではない。まだ終わらせないと悪魔は耳元で囁いているのを知らない俺・・・



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