『昨日、過呼吸になって夜中、目が覚めちゃったよ。』と、トイレに行く途中、リビングにいた母に
笑顔でそう言った。
心配を出来るだけさせたくない中からの、必死の笑顔だった。
母は、『大丈夫なの?』と、やはり心配している。
やっぱり、言わない方が良かったな。と、反省した。
入院を自分から拒否してから、俺は、また、タバコを吸っていた。
過呼吸になって、苦しい思いをさっきしたばかりなのに、ベットの上に座りタバコを吸おうとすると、
タバコが切れている事に気が付いた。
チェと思いながら、買いに行かなきゃと思っていると、
母が『行ってくるわね』といい、出かけて行った。
俺が病気になって多少の貯蓄はあるにせよ、収入が激変しているから数時間のパートに行っている。
会社の役員といっても、年俸制を取っておらず、基本給+歩合という形態が俺の給与になっていた。
傷病手当金ははるかに少ない。
賃貸マンションの維持費だけですべて無くなり、食費などは預金から切り崩していた。
病気とは生活まで圧迫するものだと、今までには考えたこともない事を考えた。
タバコを買いに行こうと、財布と携帯を持ち、近くのコンビニに行ってタバコを買った。
その帰り道、また悪魔がイタズラをしてきた。
歩きながらタバコに火を付けた、その時、深夜に味わったあの感覚が体を突き抜ける。
ウソだろ!
今迄に、一日で二回の過呼吸を食らったことが無かった。
タバコを投げ捨て、その場にうずくまった。
携帯、携帯と思いながらも、それどころではない。
今迄に無いくらいの苦しさだ。
うずくまっていた俺はたまらず、道路に横たわる・・・
通行人は見て見ぬふりだ。
誰か、助けてくれ!と言いたいが声も出ない。。。
助けてくれよ~!
と、心の中で叫んでいた・・・・
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