夜になりカーテンを開けた。ほんの少しの隙間から日が差していた時より数センチだけ・・・
俺の住んでいる所は、高層のマンションが建ち並び、幹線道路には夜でもかなりのスピードで走る車が通っている。
どっちかなぁ?
いずれにしても、今の体は原型をとどめないだろうなぁ。
痛いんだろうなぁ?
でも、もういいよ。
治らないままこのまま生きていても、逆に迷惑をかけるだけだ。
心残りは、先立つ不孝。
それだけは、気持ちのなかにあった。
深夜、ベットから立ち上がり、静かにクローゼットを開けた。
本来、元気だったころの俺は洋服だけには、こだわりを持っていた。
死に衣装は、決めていた。 ロカウェアのパーカーにジーンズ。靴はナイキのエアフォース1!
それを静かに身にまとった。時計の針は3時を迎えようとしていた。
遺書っているのか?いるわけないよな。
こんな時だけ、しっかりしているもんだな。と、思いながら静かに部屋のドアを開けた。
すると、リビングの食卓の椅子に母がいた。
思わず俺は、『わっっ』と声をあげてしまった。
続く
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