旦那と私と息子の3人で旅行に行った時のことです。
桜がきれいに咲いていたので少し歩くことにしたのですが、突然空模様があやしくなりはじめ、終いには打ちつけるような雨が振ってきてしまいました。
私たちは近くにあるお店の屋根の下で雨宿りをしていたのですが一向にやむ気配がなく、まだ幼かった息子がぐずり始めてしまいました。
雨宿りしていたお店はその日はお休みだったらしくシャッターが閉まっていたのですが、息子の泣き声が聞こえてしまったのか中から店主と思われる方が顔を出し
「冷えるでしょう。中で休んで行かれなさい。」と優しく微笑みかけてくださったのです。
息子のこともあり私たちはその言葉に甘えることにしました。
そのお店はお漬物のお店だったらしくずらりと並ぶ色とりどりのお漬物に息子の機嫌もすっかり上機嫌になりました。
雨も弱まってきた頃、春といってもまだ少し肌寒い中ずっと外に居たせいか息子はトイレに行きたいと言い出したので、申し訳なく思いながらもお手洗いをお借りしました。
トイレから戻ってくると旦那が車を取ってきていたので店主にお礼を言い旅館に戻ろうとしました。
すると店主は「これをお土産に持って帰りなさい」と言って袋を息子に差し出しました。袋の中身は美味しそうなぬか漬けでした。
「こんなもんしかないもんでね。ごめんね。」と言いながら息子の頭を撫でる店主に感謝していると突然、「かぁか、かぁか」と息子が私の袖を引っ張ったので
「どうしたの?」と尋ねると、息子は腰を曲げ自分のお尻を嗅いだかと思うと次はぬか漬けの袋を嗅ぎ「うんちと一緒!くちゃ!」と言って満面の笑みで鼻をつまみ言ったのです。
その言葉を聞いた店主は大笑い。私たちも恥ずかしさはあったのですが息子の無邪気な笑顔に笑いが止まりませんでした。
文豪とアルケミスト
