自分の関心の強いものに対して、人は知らず知らず良くも悪くも
イメージを作り上げていくものです。
こと対象が人間であると、その外見的なものや表情から
抱くイメージは妄想にまで発展する、きわどさがあります。
先日、外来で自分が体験した"プワゾニマージュ(poison image)"!
診察室の扉を開けて入室した方を、私の机の前の椅子を引き、
手で促しながら着席してもらう。
知人の医師から紹介されたというご婦人。
これまでの病歴を尋ねながら、末期癌の伯父さんの介護のため
米国と日本を往復していたと話す彼女。
「癌を患っていた伯父が先月、亡くなりましたの・・・」
「それはお大変でしたね。さぞお辛かったことでしょう」
彼女は自分の身辺の様子を私に詳しく説明してくれる。
「そうですか・・・、でもお偉いですね。よくがんばっていらっしゃる」
「先生、先生はHPの写真の先生ですか?」
「えっ、あ、あれはもう少し前の写真なんですよ^^ゞ」
私の顔をのぞきこむように、
「先生、先生の目がやさしい。すごくやさしい目をされてる」
「あっ、そうですかぁ(〃∇〃)」
(俺、たれ目だし、オペ帽とマスクしたままだと、目しか見えないんだよな)
いつものようにカルテに絵を描きながら説明を続ける。
私の説明を聞く彼女の顔が、「お任せします」という表情になっているのが
なんとなく伝わってくる。
インフォームドコンセント(正しい情報を伝えられた上での合意)も得た。
「それでは、よろしいですか。
また、お呼びしますので、待合室でお待ちください」
と言いかけると、
「先生!きれいな手をしていらっしゃる。握手してもらえませんか?」
「えっ!?・・・よいですけど・・・(・Θ・;)アププー」
(解剖実習のときに同じグループの女子に「女性よりきれいな手」
と言われて以来、コンプレックスになってしまい、またその時の
フラッシュバックが・・・(-"-;)
立ち上がったまま、私の右手を両手で包むように握る彼女。
どうにもできないでいると、
「ありがとうございました」と部屋を出ていかれた。
「ふぅ~~、どうしちゃったんだろう(+_+)」
と溜息をついていると、
「先生、ファンができちゃいましたね、くく、くーーっ」と外来ナース。
「おい、ふざけないでくれよ!
思い込みが一番怖いんだよ。今までで最強の部類だよ。
握手なんて・・・外人のおっさんたち以来だ」
「まぁ、そんなことおっしゃらずに・・・」
さて、このエピソードは私の自慢話をしたいがためのものではありません。
この話の中にはかなり省略された専門的な部分があります。
その一連の流れがないと本来は非常に怪しいお話です。
しかし、もちろんここ(ブログ)ではお話できない部分でもあるのです。
人は、自分が弱っていたり、何か不利な立場にあると、
やさしい言葉をかけてくれる人がまったくの善人に見えてしまうことが
あります。これが取りも直さず、勝手なイメージ作りの始まりです。
「職業的にこの人間は嘘をつかない、本当のことしか話さない」と
潜在的に思い込んでしまっている背景も手伝っています。
みなさんに気をつけていただきたいことに、
このインターネット上には活字が氾濫しています。
そのどれもが常に正しいとは限らないこと。
肩書きをむやみに信じ、正しさの判断の基準にされませんよう
十分留意なさっていただきたい。
(もちろん、すべて疑えというものではありませんが、
客観的に判断できている自分がいるかどうかを確かめる必要は
あるかもしれません)
また、国家資格の肩書きで書籍を書かれている人たちは沢山います。
しかし、そのどれもが読者の関心を持たせようと表現に工夫が
施され、専門的には「?」な表現も多々あります。
つまり「はやりもの」には、脚色や演出がつきまとっているという
ことをお忘れなく!(かつての「脳内革命」はどこ行っちゃったんでしょう?)
そしてくれぐれも「盲信」が「妄想」に発展しませんように。
表題の”poison image”(プワゾニマージュ)
訳せば、毒っ気を帯びたイメージ?
実は辞書には載っていません(^w^)センスワルイシ~
私が勝手に先ほど作ったものです。
ずうずうしいですが、盲信されてしまいましたか?
LUKEはワルだということ、これでご納得を!
失礼いたしました<(_ _)>ゴメンチャイ!!オコラナイデネ~
LUKE