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Galaxy Foldを1週間がっつり使い倒して分かったこと これは飛び道具ではなく正常進化だ
10/9(水) 17:46配信ITmedia NEWS
Galaxy Foldを1週間がっつり使い倒して分かったこと これは飛び道具ではなく正常進化だ
3つのアプリを同時に画面表示
 こんにちはドリキンです。僕はサンフランシスコ在住でソフトウェアエンジニアをしている傍ら、PodcastやYouTubeで趣味のガジェットレビューなどを配信しています。

片手でしっかりホールドできる

 今回は米国で発売された話題の折りたたみスマートフォン「Galaxy Fold」の使い勝手をレポートします。発売直後に手に入れ、めちゃくちゃ気に入って愛用しているので、1週間使い倒した感想などをお伝えします。

いかにGalaxy Foldを手に入れたか
 その前に少しこのデバイスを手に入れた経緯について紹介します。米国での正確な発売日はアナウンスされていなかったと思うのですが、こちらでは9月27日あたりに販売が開始されました。

 そろそろ発売されることが分かっていたので定期的にサイトにアクセスし、リロードを繰り返しながらSamsung公式サイトでのオンライン販売を待っていました。ある時、一瞬だけカート画面が表示され、オンライン販売が解禁されたと思ったのですが、最後の購入ボタンを押せません。公式以外を調べてみると、携帯キャリアショップや家電量販店のBest Buyなど、リアル店舗での販売が既に始まっていました。

 気づいた時にはすでに遅く、サンフランシスコ周辺のBest Buyからは全て在庫がなくなっていて、サンフランシスコから北に1時間半ぐらいドライブしたところにある街、サンタローザのBest Buyに、在庫が3台だけ残ってることがオンラインで確認できました。

 それだけの時間をかけてドライブしたのに売り切れていたら、ショックで立ち直れません。念のためにサンフランシスコ市内のBest Buyで聞いてみると、事前に2000ドルを超える端末代金を全額支払うことでサンタローザ店で取り置きしてもらえることが分かりました。

 自腹でサンタローザまで取りに行けば手に入ることが分かったので2000ドルを超える支払いをサンフランシスコ店舗で済ませ、その足で1時間半、往復3時間以上かけてサンタローザのBest Buyで無事ゲットすることができました。

 ちなみにこの時の様子はYouTubeでもレポートしています。

Galaxy Foldはタブレットなのか?
 開封記事などは既に上がっていますし、僕も購入直後に開封動画を「最速」公開してあるので、この記事では実際に1週間使い倒して分かったことにフォーカスし、このデバイスの魅力について語ってみたいと思います。

 このデバイスを記事などで見て最初に皆さんが想像するのは、Galaxy Foldはスマートフォンとタブレットをニコイチしたデバイスだということじゃないでしょうか?

 個人的にはこの意見には異論を唱えたいと思っています。Galaxy Foldはタブレットではなくてスマートフォンの進化の形の1つだというのが僕の今の印象です。

 スマートフォンというのはその名の通り「賢い電話」です。元々は電話をするだけの携帯電話に始まり、インターネット接続機能が加わり、アプリが使えるようになって様々な進化を遂げてきました。

 ハードウェア性能も進化し、より複雑かつ高度なタスクをこなせるようになったため、それに伴ってディスプレイが大きくなり、端末もそれに従って大型化しています。

 ただ、便利になる一方で、その大きさゆえに、本来の「電話」としてはどんどん使いにくくなっているように思えます。携帯しやすく、手のひらにおさめて通話しやすいサイズは、6インチ程度が限界ではないでしょうか。

 これよりも大きなサイズでiOSやAndroidを使うには、タブレットという選択肢を取ったほうが、性能や処理速度の観点からは便利です。ただ、僕も一時期実践してみて分かったのですが、iPad miniなどの比較的小型のタブレットでも、スマートフォン代わりに使おうとすると携帯性に問題が出てきます。昨今のiPadOSの登場などを見ても、タブレットは巨大なスマートフォンではなく、独自の進化を歩み始めていると思います。

スマートフォンにもっと大画面を
 話をGalaxy Foldに戻しましょう。

 Galaxy Foldは折りたためば縦長の小型スマートフォン、開くと7インチ程度の巨大ディスプレイデバイスに変形します。

 この切り替えがものすごいシームレスなんですよね。

 決してスマートフォンからタブレットに変形するようなものではなく、純粋にスマートフォンの画面が拡大される感じ。ダイナミックな解像度変更に対応したアプリは、閉じた状態から一瞬で開いた大画面に移行できます。

 例えば折りたたんでYouTubeを全画面再生している状態でFoldを開くと、再生が全く途切れることなくシームレスに大画面で全画面再生に移行します。

 スマートフォンの画面サイズはハードウェアデザインの制約で6インチ程度が物理的な限界サイズになっているのではないかという話をしましたが、ソフトウェア的にはどうでしょう?

 処理速度もOSもどんどん進化していて、スマートフォンOSに画面的な制約はありません。今のスマートフォンの環境なら、より大きな画面で使うことで、より快適に生産性の高い作業を遂行することができます。

 Galaxy Foldでは、まさにこれを実現するために物理的な制約を打ち破る1つの手段として折りたたみディスプレイというものを開発したんだと思います。

 高機能化したスマートフォン用アプリを7インチの大画面で操作した時の快適性と生産性の高さは、ちょっとした仕事なら「パソコンがなくても生きていける」と本気で思えるほどです。

 筆者は過去に何度も、「スマートフォンだけで生きていく」みたいな、非PC環境で生産性を高める実験をしてきましたが、いまだにPCを捨てることができません。

 折りたためるディスプレイを開発したことにより、スマートフォンに絶対必要な携帯性と、より高度で快適な作業ができる大画面を両立したというのが、Galaxy Foldの本質ではないかと筆者は考えています。

改めて気づいた電話機としての快適さ
 今どき、携帯電話で電話をしている人はどのくらいいるのでしょうか?

 コンピュータやインターネットに精通している人は電話なんてもう使わないよ、メールやチャットでコミュニケーションすればいいじゃんと思われるかもしれません。

 ですが、サンフランシスコに住んでいると、アメリカ人がとても電話好きなんだということに気づきます。今でもちょっと込み入った話になるとすぐ電話をかけてきたりして、最終的に電話がまだ生活のライフラインになっていたりします。

 僕自身もそんな環境に感化されてるのか、最近はちょっとだけ電話回帰しています。長文のメール書くぐらいなら、電話しちゃうことも多々あります。

 そんな時に気づくのが今時のスマートフォンの電話のしづらさ。

 あれってもうなんか嫌がらせレベルで電話を使いづらくしてますよね。

 Galaxy Foldを使って気づいたのか電話の快適さと楽しさです。

 製品名のとおり、たたんでフォールドした状態のGalaxy Foldを見てみると、その形が家電話の子機みたいに見えてきませんか?

 縦長である程度厚みがあって、手で持って耳に当てた時の感覚はまさに「受話器」。外側についているOLEDディスプレイもいい具合に小型化されていて、ベゼルがしっかりあるので、変にタッチして誤動作させてしまう心配もありません。

 めちゃくちゃ当たり前のこと書いてるんですけど、この握り心地と通話のしやすさが新たな発見でした。

Galaxy Foldはコンデジを殺す?
 もう1つ、このフォールドした状態で気づいたことがあります。

 それはカメラとしての使いやすさです。最近のスマートフォンは新機種の売り文句にカメラ性能を挙げることが多いですが、個人的にはこれ、あんまり興味がないんですよね。

 なぜならスマートフォンで写真や動画を撮るのって楽しくないんです。ホールドしにくいし、シャッターボタン押しにくいし、特に動画を撮る時は、間違って画面を触って設定を変えないように気を使いながら撮影するスタイルがとてもストレスになります。

 Galaxy Foldを閉じた状態でカメラアプリを立ち上げてみたらこれがびっくり、下手なコンパクトデジタルカメラよりもホールド性はいいし、めちゃくちゃ撮影しやすいんですよね。

 現在のスマートフォンのフォームファクターではいくら画質が向上しても物理的な形状からカメラの撮影しやすさを実現することができない。だから「スマートフォンがカメラを殺す」ことはないなと思っていたのですが、Galaxy Foldは下手なカメラよりもホールド性が良くて、これならコンデジを持ち運ばなくてもいいかなと思えてしまうほどでした。


1週間目の結論
 実は僕は、このレビューの執筆依頼を受けた時に一度断りました。自分の中でも、まだこのGalaxy Foldというデバイスを完全に消化しきれておらず、日々さまざまな発見があるので、記事にまとめるのは難しいなと思っていたからです。ですが、編集者から「その時その時で感じたことを書いてくれればいいよ」と言ってもらえたので、まずは1週間使ってみた感想を書いてみました。

 今、僕はこのデバイス、ほんとに肌身離さず常に持っていて最高に気に入ってます。初代iPhoneを持った時の感動のような、常に使っていたいと思わせる魅力がこのデバイスにはあります。

 この魅力は決してスマートフォンとタブレットが融合したことで得られるものではなく、スマートフォンに感じていた窮屈さ、「もうちょっと画面が大きければもっと快適に使えるのに」みたいな不満が解消されたことによる心地よさだと思っています。

 折りたためるフラットディスプレイが唯一の解決策ではないと思いますが、これ以上画面サイズを大きくできないという制約に正面から取り組み、新たなソリューションとして製品化したこのデバイスは、飛び道具的な変わり種スマートフォンではなく、スマートフォンの正常進化の1つの未来を見せてもらったような気がしています。

 大きな壁は取り壊されたので、このことに気づいた他のメーカーはどんなアイデアを投入してくるのでしょうか? これからのスマートフォンの進化と、スマートフォンの可能性が広がる未来を想像すると、ワクワクせざるを得ません。

(サンフランシスコ Joe the Juiceにて、Galaxy FoldのGoogle音声入力で執筆)

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