古書店100円コーナーの楽しみ | ektarのピントグラスな日々・デザイン備忘録

古書店100円コーナーの楽しみ

夕方の自転車散歩のときに、通り道にある古書店、図書館には良く立ち寄ります。

まあ、ご幼少の頃から本が好きなので、

もう、本好きの修正と言うか、

本能のようなものですね。

 

 思い返せば、僕の母も読書好きで、読書には理解があり、 僕は子供の頃は近所の本屋さんで、ツケで本を買う

 という事が母から許されておりました。

今から考えると、けっこう、とんでも無い事で、

本に関しては、青天井で

好きな本をツケで手に入れて読みふけったのですが、

その代わりに、お小遣い というものは、あまり貰えた記憶がありません。

バットもグローブもサッカーボールも

ありません。 自転車は貰い物・・。  

 

 先年、母が亡くなったあと、叔母(母の妹)から、

実は、私の母は、子供の頃から読書好きで、

本屋で父親のツケで本を好きなだけ買っていたんだよ

 と聞かされて、

ああ、あの親にしてこの子あり ってことだねー 

と妙に納得してしまいました。

 

その結果、すごい量の本を読みふけっていたので、

 国語の成績だけは、

何の努力をしなくても、優秀で、

そりゃー当然だよねー とか今でも思います。

ただし、漢字の書き取りが多少弱く、 漢字が読めること と書けること は 

違うんだ と知ったわけです。

 

まあ、そんなわけで、 本が溜まりすぎていて、先日、もはや不要と思われた

本をなじみの古書店にて処分した所、結構な金額になり、(段ボール箱30個くらい)

結局、そのお金は 新しく購入した本に見事に化けたのです!

 

コミック類はかさむので、もっぱらKindelの電子本のお世話になって

おりますが、 案外、読んでみたい本が古書しかない というケースが

多々あり、古書店ハンターとなり果ててるんですが、

実は、店頭のワゴンセール どれでも100コーナーで、

結構、面白そうなもの、探しているものが紛れていたりするので、油断ならないのです。

それに 読んだらハズレ だったとしても、

100円なので、

そー、心も痛みません。 今

時の自販機コーヒーよりも安いし・・・

 

100円コーナーは、 ジャンルグチャグチャで、

かなり以前に流行った推理モノとか、時代小説とか、が

詰まっているわけで、

夕方に立ち寄ると、 

連載時代小説を漁ってるオッサン

官能小説を漁ってるオッサン(いまでも、このジャンルって人気ある?)

アマゾン、メルカリで、高く転売できそうな本を漁ってるオッサン

 

と一緒になる事が多く、 僕も、そーゆーオッサンの一人に見えるんだろうなー

と思いながら、

古い文庫本の隠れた名作を漁っているわけでした。

 

最近では、その中の一冊で、サロメの乳母の話 (新潮文庫)  塩野 七生  は、

存外に面白かったです。

 

オデュッセウスの妻であるペネロが、トロイア戦争勝利の英雄であるオデュッセウスが戦後に待てど暮らせど

ちっとも戻ってこなくて、

ようやく御帰宅したオデュッセウスは、

帰還がかなり遅くなったのは、

 帰る途中で難破したり 苦難の連続であった のだ と

説明するものの(オデュッセウスの帰路の苦難に満ちた英雄冒険談)、ペネロペは女性の直観で、

「難破じゃなくて、軟派してたんでしょ、と見破り・・・」

という物語です。

ある意味、現代的でもあるお話。 身につまされます。

 

 

 

 

ホメロスが謳うオデュッセウスの漂流譚はでっちあげだ! と糾弾する妻ペネロペ。不器用で世渡りが下手な夫を嘆くダンテの妻。サロメの乳母、キリストの弟、聖フランチェスコの母、ブルータスの師、カリグラ帝の馬……歴史上の有名人の身近にいた無名の人々が、通説とはまったく違った視点から語る英雄・偉人たちの裏側。「ローマ人の物語」の作者が想像力豊かに描く短編小説集。