ヒルマン・インプ 超絶テクニック養成ギブス
夕方、ネットを探索していたら、すんごく懐かしい車に遭遇した。
オイラにとって、幸運というか、不運というか、教習所を卒業して、最初に運転することになったのが、
ヒルマン・インプ という、怪しい、エゲレス製の 例にもれず、貧乏中古小型車だった。
オイラと同じインプ 友達からはアマガエルと呼ばれてました。
ヒルマン、シンガー、ハンバー、サンビームなどなど の英国弱小メーカーがルーツグループとして大整理統合された時期があって、まあ、よくあることだけど、このルーツグル―プは、クライスラーに買収されて、結局、英国クライスラーになってしまったのが悲劇の始まりなわけだけど、オースティン・モーリス、MG、ライレー、ウーズレー、バンデン・プラス のメーカーが大統合されて、英国民族系のBMC になった事とに似ている。
結局、この手の大統合の結果として、カタチは同じで、名前とバッチ が違うだけの車の嵐となり、それが結果的には悪かったんだろーねー。 もーっと、車が売れなくなったんだ。
だってさ、バンデン・プラスと、オースチンが、中身がまったく同じなんだぜ。
このパターンは、バブルの絶頂にマツダが同じ轍を踏んで、オートラマとユーノスとアンフィニとマツダ店を作ったあげく、ユーザは区別つかなくなっちまった ということがあったね。
さて、ヒルマン・インプは、このルーツグループの、ミニに対抗した野心作というか、偉大な駄作で、この車のおかげて、今日のオイラがあるわけです。どーして、こういう駄作の傑作ばっかり乗る運命なんだろーねー。
ミニの対抗馬という、一番安い小型車を目指したインプは、
排気量は850cc ミニと同じ だけど、ボディーサイズは1まわり大きい、完全な箱型。
エンジンは、室内を広くするためか、時代的には遅れたリアエンジンで、前輪駆動ミニみたな革新性にはかけるが、まあ、ルノー、ビートルを手本(後日、研究書籍によりお手本はFIAT600であった事が判明)にした安易な安全策。
ここらで、そろそろ化けの皮がはげてくるが、オーソドックスっぽくふるまってるんだけど、エンジンは、コベントリー・クライマックス設計になるアルミ製・45度斜め搭載のOHC水冷4気筒エンジン。 ミニはいまだOHV。
重要じゃないところが革新的なんだ。 なんで、大衆車にこんなエンジンが必要なんだろう?
コベントリー・クライマックスは、消防ポンプのメーカだけど、レーシングエンジンのメーカとしても有名で、ロータスも一時このメーカのエンジンを積んでいたんですね。なのに、方や名車で、インプは駄作という運命に。
小型貧民車に、消防ポンプ いや、レーシングカーのエンジン屋のエンジンを搭載しちまったんだぜ!
イギリス人は凄い!と思うけど、高回転型で、粘りなく・ピーキーなエンジンだ。
きっと、これならミニに勝てる! と思ったんだろうねー。
つうわけで、後ろのエンジンフード開けると、まるで当時のフォーミュラ2まがいの、輝く斜め搭載
アルミエンジンがでてくるわけだ。 眺望からすると、ルノーアルピーヌA110のエンジンルームなんか目じゃない。
ここいらへんからして、おかしな車なんだ。
で、クラッチは、まったく遊びがないクラッチ。ミートが大変難しい。
半クラを許さないのである。ここらへんも、レースの血がまじっとるね。
ホイールベースは短く、運動性はすごく良く、ステアリングは遊びなく、回転角度もすくなくて、ミニよりも、もっとレーシングカート感覚(その後、ミニに15年以上乗ったおいらがいうのだから、ホントだよ)
あとね、すごいおまけがついていて、スロットルケーブルが切れたとき、おいらのオヤジが、何を考えたのか?
ケーブルの代わりに、長いピアノ線に自分で交換してしまったんだ。
つまりね、アクセルにも、遊びがまったくないんだよ。
反対に遊びがありすぎる箇所があって、
それは、シフトリンケージだ。 ユニバーサル・ジョイントを使わずに、鋼鉄ワイヤーを束ねてよじっただけのフレキシブルジョイントを使っているので、そこが次第によれよれになって、カチっとシフトが決まらない。
ぐにゃぐにゃ よれよれ なんですよ。シフトが。
リアエンジンは、リンケージが長いので、もともと気持ちの悪いシフトが多いけど、これは最悪。
まあ、消化されない最新技術を、ミニに対抗するため、安易に投入したなれの果ての車だったんです。
でね、オイラとおいらのオヤジ以外は、絶対に運転ができない車だった。
ドライブテクニック自慢が運転しても、即エンストです。 何人も、涙を流してました。(爆
まー、おいらは、他の車をあまり運転したことがない時期だったので、車とはこんなもんとか思ってました。
のちに、国産中古を運転する機会があったとき、ステアリングの遊びが大きくて、恐怖体験でした。
さて、欠点が多い車ですが、ハンドリングはレーシングカートみたいに
素晴らしく(好みの問題?) リアサスペンションにウイッシュボーンが採用されていることで、これにより、コルベアがの事故のような過大なオーバステア傾向を防いで、極めてニュートラルな特性に収められ、 イギリスの草レースで大活躍している
という結果に!
これが、おいらの出発点でした。
思えば、 公道乗用レーシングカートのようもので、 これで運転を鍛えられた自分は幸運?
