◎KANA対壽美 | DOCROMANCE - EKPUAのブログ

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 格闘技とエクプアの活動……

 3日のK-1で特に気になったのは、KANA壽美戦と野杁トファネリ戦だった。

 

 全くのかませ犬と思われた壽美選手が終始リーチを活かした攻撃で距離を取り、絶対女王とみられていたKANA選手に判定勝ちした。番狂わせ。むろん壽美陣営は大喜びである。

 

 しかしこれでいいのだろうか。

 

 旧K-1ヘビー級が、貧乏くさい立ち技格闘技の世界を華やかな世界に変えた。大男が倒し倒されを演じる迫力がブレイクの理由であるのはいうまでもない。

 

 それに比べて、KOの少ない中・軽量級なんて……という世間の目に戦いを挑んだのが、MAXの時代でいえば魔裟斗氏、今ならば武尊選手である。

 

 2014年の新生K-1旗揚げから数年後、「女子も倒せる。男子に負けない迫力ある試合ができる」と主張してK-1女子の旗頭となったKANA選手は、いわば女性版武尊ロードを歩み始めたわけなのであった。

 

 しかしKANA選手は敗れた。

 

 ジャッジ豊永 29-28 壽美

 ジャッジ太田 30-29 壽美

 ジャッジ??(壽美選手の歓喜の声で聞き取れず) 30-29 壽美

 

 豊永氏のスコアは、どのラウンドでKANA選手にポイントが入ったのかよくわからないが、3者ともに壽美選手支持であるから、どう見ても負けていたということだろう。

 

 距離を取ってポイントアウト戦法の前に空回りし、判定負けした。まるでリングに上がってから初めて、相手がリーチの長いサウスポーだと知ったかのような無策ぶりは、相手の研究・対策に余念がないといわれるシルバーウルフの選手とは思えなかった。

 1Rはまだよかったのだが、2Rからは唯一当たっていた右のインローも減り、サイドに回る動きは一切なく正面衝突で、苦しい試合展開になってしまった。

 

 一方の壽美選手は、間違いなくダイレクトリマッチでタイトルがかけられる試合が組まれる。誰もが確信している。そして同じ戦い方をすれば、おそらくまた勝てるだろう。新女王誕生。ベルトへの距離は限りなく近い。

 

 こうしてK-1女子は振り出しに戻り、倒せないんだからKrushかプレリミナリーでやってくれと再びいわれるようになるのであった。

 

 誰が悪いとかではなく、現在の女子K-1はまだまだ発展段階で、とても男子と同格だといえるレベルではないということだろう。最初から判定間違いなしのポイントの奪い合いを見せられるこっちはつらいんですじゃという気持ちは正直あるが、今はKrushだけではなくK-1で試合を組むことによって、より多くの人の目に触れ、底辺を拡大していくための先行投資的な時期なのかもしれない。ただ、見てるこっちはつらいんですじゃ。 †