DOCROMANCE - EKPUAのブログ

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 格闘技とエクプアの活動……

格闘技観戦メモと成り果てています。
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以下、公式が試合映像をあげてくれたので、あたかもリアルタイムで観戦したかのような描写が用いられています。

試合が始まった。
いきなり突進する皇治選手。左右のパンチを振るっていく。これはムエタイ戦士であるがゆえに、近距離での打ち合いを苦手とする(肘があれば話は別なのだが)梅野対策であろう。
これに対して梅野選手はミドルキック。前進を阻むべく放たれる蹴りは、さすがラジャの元王者だけあって鋭い。
だがそれでも強引に前進する皇治選手。

これは激しい消耗戦になりそうだ!

観客が予感した、そのときである。

ドッコイ

開始40秒、なんと皇治選手のスーパー頭突きが、梅野選手の顔面に炸裂!     当然ながら頭突きは反則である。

何故か更にパンチを連打する皇治選手だったが、試合が止められ、ドクターチェックが入る。そして……

カンカンカンカン

なんと梅野選手の鼻骨が折れており、試合開始わずか43秒で続行不可能という裁定が下されたのだ…………

骨折を誘発した頭突きはわざとではなく偶発的なものであると判断され、この試合はノーコンテスト、つまり無効試合となった。

しかしSNSの実況組は、一様に狼狽していた。

こ、これでは……
トーナメントはどうなるんだ?!

キック4人トーナメントの一回戦。それがノーコンテストというのは一体?     決勝戦はどうなる?

当然の疑問である。

ま、まさか皇治がこのまま決勝に進出してしまうのでは……
いや、それはおかしい。トーナメント決勝は中止が妥当だ。
リザーバーはどうしたんだ?

皆それぞれに議論している。

通常、こういった場合には、あらかじめリザーブファイトといって、予備の試合が用意されている。それに勝利したリザーバーが、一回戦を突破したものの怪我などでドクターストップがかかった選手に代わり、決勝に出場するのだ。このリザーブファイトは、不測の事態に備え、トーナメントを行う際は必ずもうけられるのが常識である。

しかしなんと、このRIZIN29、なんとリザーブファイトなど存在しないという破天荒な大会、不用意すぎる噴飯ものの興行なのであった。

まさかの展開に不穏な空気がたちこめる中、もうひとつの一回戦、白鳥大珠対高橋亮が行われる。試合はわずか98秒で白鳥選手がKO勝ち。まあそうだよね。高橋選手は少しかわいそうであった。

一回戦第1試合、バッティングによりノーコンテスト。
一回戦第2試合、白鳥選手のKO勝ち。
リザーブファイトは存在せず。

この場合、決勝戦はどうなるのだろうか?

名探偵でも哲学者でも解けないこの問い……

驚愕のアナウンスに会場がどよめくことになる。

なんと、皇治選手、決勝進出!

いや、それはおかしい。それでは格闘技ではなくコントではないか。

多くの人はそう思ったかもしれないが、実は格闘技とコントは非常に親和性が高い。

音楽の三大要素といえばリズム・メロディ・ハーモニーだが、格闘技イベントの三大要素は主催者・観客・選手である。このうちどれか一つでもおかしくなると、格闘技はたちまちコントと化すのである。

RIZIN29の場合、皇治選手の決勝進出を決定した主催者、それを大歓声で支持した観客(皇治軍団)、スーパー頭突きを放った皇治選手、一つどころか三大要素全てが狂っている。コントと化して当然である。

そしてコントの、いや決勝戦のゴングが鳴り響いたのであった。

トーナメントとはいえ、瞬殺で勝ち上がりダメージのない両者。スムーズな動きを見せる。そして……

ドッコイ

何故か試合開始早々に頭突きを放つ皇治選手。

ところが白鳥選手は長身のため、勢いが殺され梅野選手ほどのダメージを負うことはない。そしてボクシング仕込みの右フックが炸裂!     これで皇治選手がダウンしてしまう。だが皇治選手はローブローを返し、またもドッコイ。上下に散らすコンビネーションはアーネストホーストを彷彿とさせる。

しかし白鳥選手の牙城は崩せず。3R判定でダウンを奪っている白鳥選手が勝利、そして優勝。

一方、反則の連発で株を落としてしまった皇治選手。

ネット上では、皇治はいくらなんでも頭突きが多すぎる、故意でないならバッティングセンターではないかという非難に、いや白鳥も頭突きを入れていたと皇治軍団が応戦、更に立ち技格闘技界の重鎮である魔裟斗さんが皇治選手を擁護するという謎のクソムーブに及ぶに至って、ファンは大いに混乱。

私が疑問に思うことだが、皇治選手はスパーリングをしないのだろうか?     あれだけ頭から突っ込めば、スパーの時点で必ずや問題が生じる。まともなスパーリングパートナーがいないのか、まともに意見してくれる人がいないのか、それ以前に練習環境がまともではないのか。

MMAの大会で、一躍主役に躍り出たキック。ところがその内容はハプニングを楽しむしかないトーナメント。「もうキックの試合はやめろ!」という意見も多く見られた。しかしこの結末さえも利用して「皇治梅野因縁の決着戦!」と大晦日あたりに煽ってきそうなRIZINのタフさに期待したい。    †